【呪術廻戦】モブ顔オタクのトリップ話 (ページ19)

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第十八話「不機嫌の理由」ページ19

「不機嫌だったのは本当です。ただ理由はこの任務についてではなく五条さ…………一つ上の先輩からのちょっかいにウンザリしていただけです」
「ちょっかい」
「ですので貴方に非はありません」
「は、はぇぁ……」

話を聞くに、どうやら五条から何かしらのちょっかいをかけられてストレスが溜まっている状態での同行だったので、私視点ではこの任務のせいで不機嫌にさせてしまっているように見えたようだ。ただのすれ違いだった様でホッと胸を撫で下ろす。

「良かった……私が何かしてしまったのかとばかり……」
「何かされた訳ではないのですが、流石に序盤の及び腰の件はイラッとしましたね」
「ｴｯﾍｧすみません！？」

突然の毒付きに慌てて謝ると、七海はフッと軽く笑いながら「冗談ですよ」と言った。
その表情に私の目は奪われた。

光の束を集めたような金髪が薄暗い通路の中でもキラキラと輝き、その下には澄んだ海の様な瞳がやわらかく薄められてこちらを見ている。女神や聖母を彷彿とさせるような微笑を浮かべるその横顔はまるで、装飾が施された額縁に丁寧に包まれてルーヴル美術館などの格式高い美術館に飾られるような絵画のようで、触れたら指先の温度で溶けて消えてしまう雪の結晶のような儚さを感じて＿＿＿＿＿＿

思わず口からポロリと溢れた。

「めっちゃ顔美人ですね……」
「は？」

スンとチベットスナギツネ並の真顔になった。
置いていかれた。俺は泣いた。
皆は言葉には気をつけよう！(ウインク)

その後帰りの車で爆睡してしまったらしく、気がつくと部屋のベッドで寝ていた。
灰原くんに話を聞くと七海におんぶされて部屋に送ってもらったらしくて、私は朝イチの教室でスライディング土下座を決めた。ドン引きされた。俺は泣いた。
皆は朝イチのスライディング土下座には気をつけよう！(ウインク)