【呪術廻戦】モブ顔オタクのトリップ話 (ページ14)

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第十三話「ハッピーで埋め尽くせる程の努力未来な腕が欲しい」ページ14

＿＿＿＿＿＿＿誰も居ない廃ビルの廊下に靴音が反響する。
その音の感覚はやけに広く、先へ進むことに躊躇しているのが分かった。歩幅は小さく地道に道を進んでいく様はまるでハイハイを覚えたての赤子のよ「あの「ﾎﾜｧｯｯｱ！？！？(動悸)」

突然背後から呆れ気味に声をかけられ、慌てて振り返ると七海がジトッとした目でこちらを見ていた。

「流石に歩くのが遅いと思います」
「だって怖いんですもん申し訳ありません！！(半泣き)」

現在入口から入っておよそ5mほどしか歩いていない。それは私が死ぬほどへっぴり腰で歩いているせいだ。大変申し訳ない。

七海はﾌｰｰｰｯ……と大きく息を吐いた後、私の肩をグッと持つと両手で力強く押し始めた。引きこもってばかりで運動をしない女と、日頃からトレーニングと任務を頑張っている男。力の差は歴然で、足を突っ張り棒のように前に出したり、足裏に力を入れて動かないようにしたりと、どんなに抵抗をしてもズルズルと前へ押し出されてしまう。

「さあ、とっとと終わらせてさっさと帰りましょう」
「ﾜ゛ーーー待ってください心の準備がァーーッ！！！」

私の悲鳴が聞こえていないのだろうか、それとも聞こえた上で無視しているのか、一切の反応を示さず七海は私の背を押し続ける。先程まで自分で歩いていたスピードより明らかに早い上、万が一前から呪霊が来た場合一番最初に攻撃を受ける位置に居るので物凄く怖いのである。私はビチビチと陸に打ち上げられた魚のように反抗しながら七海に泣きつく。

「じ、自分で歩きます！自分の足で歩きますから！！」
「いえ、先程のような及び腰で歩かれても困りますので」
「ちゃんと歩きますからァ！！(泣)」

必死の懇願がようやく届いたのか、七海の腕に力が入るのが止まった。両膝に手を置きゼェゼェと肩で息をする私に興味無いのか、七海は廊下の奥の方を見ていた。もしかして七海って私の事嫌い？どうしようめちゃくちゃ辛い。

とりあえず自分で歩くと宣言したからにはちゃんと行かなきゃと思い、なるべく歩幅を大きくしてせかせかと歩く。割と早く歩いているはずなのだが、七海は余裕そうに私の後を一定の距離間で着いてきた。ピクミ○かな？
ナナミンってあだ名ついてるし…投げたら勝手に呪霊討伐してくんないかな……。

無理だなまず投げられるほどの腕力が私には無い(断言)
上腕二頭筋ムキムキマッチョマンになりてぇ〜と切に願いながら先へと進むのであった。