桃と岩泉の恋愛事情 最終話 ページ5
「岩泉、しゃがんで」
「なんでだよ」
「いーから」
優しい岩泉は予想通り怪しみながらもしゃがむ…というか中腰になってくれた
「目も瞑って」
「⁇なんでだよ、……ん」
……………っ、わ、わー…可愛い、あの岩泉が私の頼んだこと素直にやってくれてる
しかも中腰で目瞑ってる…
あ、やろうとしてたことやんなきゃ
岩泉…
「ごめんね」
「何がだンむっ」
あ、ちょっとガサガサしてる、柔らかい
小鳥のようにちょんっとキスとはあまり言えないような軽いキスを交わした
岩泉の顔を伺うと目を見開いている珍しい姿
「ごめんね、急にしちゃって」
「………………………」
「岩泉？」
やっぱ嫌だったよね、好んでない人にキスされるとか
「へ？あ？ん？おお、わりぃ」
これは…かなり動揺してるな
「今、キスしたの、分かる？」
「きっ？キス？…さ、されたな」
「……これから告白沢山するから」
「……………はぁ？」
「もし、私の告白聞いてくれなかったら、またキスするかんね」
「はぁ？！」
しょうがないじゃん、好きで好きで諦めらんないんだもん
私って結構肉食系…か？
＊＊＊
「岩泉」
今日もまた当たり前のように放課後部活で忙しい岩泉を呼び出す
「分かった」
いつもと変わらず何も言わなくとも分かったように岩泉は返事をする
こんなのが毎回続いてるけど脈がある感じはしない
いつも通り同じ場所で告白を始める
「お待たせ、岩泉はいつも早いね来るの」
「そうか？」
「よっし、それじゃ早速」
何度しても告白するときの緊張は変わらない
何度も深呼吸をし重たい口を開く
「岩泉、好き、私と付き合って」
最初とは違ってしっかりと目を見て言うことができるようになった
そりゃそうか、今回で10回目くらいだもん
いつもはすぐに返事を返してくれたのに今回は無い
なんで？
っていうか、岩泉聞く前から少し歩き出してたっていうか……………
これ、無視してない？
えー…どうしてだ？
最初に行ったこと忘れた？告白無視するとキス…するって……
「岩泉、ちょっ、待ってよっ」
急いで岩泉の腕を握る
少しの間沈黙が続いた
「……しねーの？」
「え、何を」
「……言ったじゃねーか、告白無視したら…キスするって」
「し、して欲しいの？」
「ん…」
え、嘘…本当に？
「じゃあ…そっちから…して」
「…目、瞑れ」
「ん…」
あ、岩泉の唇熱い……
「相川…好きだ…俺と付き合ってくれ」
「うん…………喜んで」
校舎裏で私と岩泉は甘いひと時を過ごした
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作者名：チオウ | 作成日時：2017年3月21日 0時
