ぬいぐるみ《桃》 狐雪 ページ7
Aside
『あ、うさぎ…』
「ん？どうしたの？」
私が足を止めると、ないくんもすぐに気づいて足を止めてくれた。
ゲームセンター、その中でもクレーンゲーム。
そのケースの中でこちらを見ていたうさぎのぬいぐるみ。
そのうさぎに、私は一目惚れしたのだった。
『あのクレーンゲームのうさぎが可愛いなって思って。ごめんね、お買い物の続きしよっか』
「…よし、A！獲るよ！」
『えっ？え、あの、ないくん！？』
手は繋いだまま駆け出したないくんに続く。
あまりに突然のことで、体は追いついていても頭は追いついていなかった。
「よし、これだよね？何色がいい？」
『え、い、いいよ…悪いし。また今度一人でやるから…』
「俺が獲ってあげたいんだよ」
ね、とはにかむないくん。
『…じゃあ、お言葉に甘えようかなぁ。色か…ピンクがいいな』
「お、王道だねぇ。よし、任せて！」
ないくんが200円を投入口に入れる。
払ってもらうことに罪悪感があったけど、有無を言わせないようにさっと入れていたのを見て、言うのをやめた。
ウィーン、とクレーンが動く音がする。
騒がしくさまざまな効果音が響いたゲームセンター内で、ないくんの操作するクレーンの音だけは響いて聞こえた。
「A、ちょっと横いって…ここ辺りで大丈夫？」
『うーんと…あと少しだけ後ろかな…』
「後ろ…こんくらいか」
そう言ったないくんが、ポチッと決定ボタンを押した。
またウィーンとクレーンが動き、ぬいぐるみの首と脇下に三本爪を入れる。
当然のようにぬいぐるみは持ち上がり、そのまま落ちることなく取り出し口から出てきた。
「よし、一発〜！」
『えっ、すごい…！ありがとう、ないくん！』
「いいのいいの。…ふふ、」
『ん？何で笑うの？』
「いや、ぬいぐるみを抱きしめているAが可愛くて」
そう言ってまたくすくすと笑うないくん。
可愛い、って当たり前のように言ってくるのは本当にずるい。
今の私の顔は、このうさぎに劣らないくらい赤いのではないか。
「ところで、それ自室に置くんだよね？」
『うん。だけど、ちょっと色合いがアンバランスになっちゃうかな…笑』
私の部屋は基本モノクロで、観葉植物の緑が入るくらい。
だから、ピンクは合わないだろうけど…
家に帰ってもないくんを思い出したいから、なんて言わない。
.
お久しぶりです。
クレーンゲーム要素の方が強い気がするんですが、お許しを…。
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亜代@すいでい#水泡の秘密小説部(プロフ) - 彩結さん» えっ…なんかありがとうございます() (2022年11月11日 17時) (
レス) id: c09f90de02 (このIDを非表示/違反報告)
彩結 - 待って待って｡いふくんかっこよい｡なんなんだ？神か？ (2022年11月11日 16時) (レス) @page8 id: 3abdb7a582 (このIDを非表示/違反報告)
なのらむ@みっくすいーつ - あっ、尊ッ...(死)うわぁスゴい...(生き返った)好きです...！！やっぱとうt...(死) (2022年9月12日 16時) (レス) @page7 id: 67415e5706 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな@すいでい - ずっと大好きな作者様にゆなの作品可愛いとか言ってもらえて嬉しすぎ好き。 (2022年9月3日 15時) (レス) id: ad248368f6 (このIDを非表示/違反報告)
狐雪@すいでい#みぞれを降らそう！(プロフ) - ゆな@すいでいさん» えっ（）それは何のお話を指しているのかわからないけど…ゆななんのも可愛いよ…？ (2022年9月3日 15時) (レス) id: 31f3ffac50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すいーつでいずofficial x他3人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/08e84ade594/?comment_all_view=1...
作成日時：2022年7月23日 13時
