不規則に変わる毎日と、変わらない君【🎲短編集】

とばせ！！！《紫》望華 ページ30

初兎くんside


急に降ってきた雨。


夕立·····とでも言うんかな。


隣には、雨なんか気にしていないようなA。


俺はと言うと、自転車を押しながらAの隣をゆっくりと歩いている。


ずっと黙ったままのAに、なんて言葉を言えばいいのか分からなくて、困っていたら急な雨。


もう、最悪やねんけど。


でも、隣で泣いているAをほっとけなくて。


俺も雨に濡れながら自転車を押した。


『·····ごめんね、初兎くん』


｢·····うん｣







今日Aがフラれたらしい。


泣きじゃくってて。


でも、俺は嬉しいような、悲しいような。


そんな感情。


俺、最低やな。


そんなことを思っていたら、急に雨が強くなってきた。


『わっ、雨…』


｢やばっ｣


やっば、絶対風邪ひく。はよ家帰らな。


そう思った俺は、何故かAの手を引いていた。


｢A、乗って！｣


『えっ！？』


気づいたら、俺は自転車を必死にこいでいた。


後ろには、まだポカーンとしているA。


でも、土砂降りなのに自転車で2人乗りしている自分たちがおかしくって。


2人で顔を見合わせてずっと笑った。


『っへへ、初兎くんありがとう』


さっきまで"ごめん"だった言葉。


涙を拭いながら笑う君が、好きなんだ。


俺の君への思いも、雨と一緒に流して。
















いつもならブレーキをかけながら通る坂道。


でも、今はそんなのどうでもいい。


ブレーキをかけずに全力で走った。


『きゃはははっ！初兎くんとばせ！！！』


｢wwwさっきまで泣いとったのにw｣


『元気出てきたんだもーん！w』


そんなことを言いながら、雨でびっしょびしょの自転車のカゴに2人のカバンを入れる。


俺らの気持ちをもっと上げるかのように雨が止んでくる。


坂道が終わりかけてきた時。


『·····私、もう1回頑張ってみる、両思いになる』


後ろから力強くはっきりと聞こえてきた言葉。












空を見ると、綺麗な夕焼けが広がっていた。


去年の今頃は、土砂降りの中Aと2人乗りして風邪ひいて怒られた時期やなぁ。


『初兎くーん！』


｢なにー｣


『デート行ってきまーす！』


｢自慢すんなリア充｣


『www』


Aがあいつに取られたって、両思いになったって。


大丈夫。


俺らには、誰にも勝てない思い出があるから。



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青春エモエモ描きたかったけど無理だった。


意味分かりません。

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