不規則に変わる毎日と、変わらない君【🎲短編集】

いちご味。《赤》　望華 ページ2

ぺろっ…


私一人しかいない静かな部屋で、飴の袋を開け口に放り込む。


美味しいなあ。


飴はもともと大好きだけど、特にいちご味がお気に入り。


その時、リビングのドアがガチャっと開いて、さっきまで編集していた彼が出てきた。


「あれ、A何やってんの〜？」


『あ、りうくん…編集終わった？お疲れ様』


私の隣に座り、大きく伸びをする彼氏のりうくん。


でも、同い年とは言えど可愛すぎてほんとに彼氏なのか否めないところがある。


「…あれ、Aなんか食べてる？口膨らんでる」


『あ、分かった？今飴舐めてるんだ〜、美味しいよね』


好きだねぇ、と笑いながら遠くを見るりうくん。


「…その飴美味しい？」


『うん、美味しいよ！りうくんも食べr』


そう思いながらりうくんと話していると、急に唇に柔らかいものが当たった。


少しフリーズしていると、ぬるりと何かが入ってきて、その瞬間分かった。りうくんがキスしてるんだ。


顔が真っ赤になっていくのが自分でも分かる。


りうくんの片手で腰をホールドされ、もう片方の手で手首を優しく掴まれている。


恥ずかしさで何もできないでいると、さっきまで舐めていた飴がからん…という音とともになくなった。


ぺろっ…ちゅ、からん。


さっきまで一人で食べていた音とは違う、繋がってる音。


キャンディーキスしてるんだなぁとようやく気がついた。


口の中に風味は残ってる、けど、ない。


そう思えば戻ってきて、たまにキスされたり唇を舐めたりされる。


でも、だんだんと息ができなくなってきて、胸板をどんどんと叩くとやっと腰を緩めてくれた。


やっと長いキスから解放され、ホッとしながらも疑問を抱いていると、りうくんがニヤッといたずらっぽく笑った。


「…この飴おいしーね、いちご味でしょ？」


『…うん…////』


顔が真っ赤なのをバレないように後ろを向く。


「恥ずかしいの？食べるって聞いてきたのAでしょ…？」


そう言い、強引に私を姫抱きして、寝室へ連れて行かれる私は腰の死を悟った。


「遠慮なくいただきます…♡」

偽りじゃなく本心で 👿《水》 ルナ→←いろいろ【必読】

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