04.関係 ページ6
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クラスメイトが2人も減った。
松山は明るく、クラスのムードメーカーだった。山崎は大人しいが、心優しい生徒だった。そんな2人の死を受け入れたくない者は多かった。特に、山崎と付き合っていた水薬と、松山の幼馴染の野崎はショックが大きかった。2人から笑顔が消えた。
だから、2人を誘って海へ行こう、そう川神は言った。ここからだと海は遠い。だが、気分転換には持ってこいだろう。成瀬と轟も誘われたため、付いて行くことにした。
成瀬、轟、水薬、野崎、川神、大平、焔、羅翔の8人で行くことになった。川神いわく、「俺と輝と焔は対策係だし、何より仲がいい！水薬と野崎は落ち込んでるから励ましたい。Aと焦凍と桐也は……うーん…。個性強いから？なんてのは冗談、あんま話したことないから仲良くなりたいと思ってさ！」らしい。
海までは大平家の車と、川神家の車で移動することになった。成瀬と轟と大平、そして羅翔は大平家の車へ乗り、水薬と野崎、川神と焔は川神家の車へ乗った。大平は色々な才能の他、車まで高級車だったため、そうとう恵まれているのだろう。
「轟、海で何するんだろうね。初めて海行くから楽しみだよ」
「…成瀬は初めての海だったのか。泳いだりするんじゃねえか？準備体操は忘れずにな」
「……そういや、君らは仲がいいんだね。前も2人で行動していたし、普段から一緒なのかい？」
素朴な疑問だった。羅翔も「確かにな」と呟き、こちらを見る。そうだ、と言えば大平も羅翔もそれ以上は聞いてこなかった。
轟と成瀬の関係は、実は2人ともよく分かってはいなかった。成瀬は10歳の時に静岡に越してきた。それから偶然席が隣だった轟と仲良くなり、互いの家族のこと、個性のことなど、様々なことを話し合った。友達にしては知りすぎていて、恋人にしては遠い。だから、2人の関係は2人もよく分からない。
「桐也様、輝様、A様、焦凍様。到着致しましたよ」
タイミングが良いのか悪いのか、運転手で大平の執事の滝沢は到着の合図を出した。
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作者名：ミスト | 作成日時：2018年3月18日 21時
