僕の隣に君がいるから (ページ16)

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国見英ページ16

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｢朝｣

『私の中ではまだ真夜中』

｢起きて下さい｣

『おやすみなさい』

そう言ってくるまった毛布が引っ張られ見事にベットから転げ落ちる
足先に感じる寒さに肩を震わせ咄嗟に奪い取られた毛布を取り返し再びくるまった

｢パンケーキ｣

『え』

｢食べに行くよ｣

『おはようございます』

｢まぁ嘘だけど｣

『おやすみなさーい』

起きるのが苦手な私と意外と朝に強い彼国見英にとっては一見面倒臭いこのやり取りも日常茶飯事、慣れたものである。

もちろん自分でもだらしないとは思ってる

主婦ならばもっとしっかりしなければならない。
そんなの分かっているけれど言い訳させて欲しい。朝がほんとにダメなんだ分かってくれ

でもご飯だって作るし掃除だって苦手だけど頑張ってるつもり
世間的な主婦の目線からするとだらしないかもしれないけれど彼も彼で今の私を受け止めてくれてるし私は今の私で十分満足。

実は朝家事をすること自体に抵抗はなかったりするのだけれど私も仕事をしている身なので朝は彼、夕方は私という家事分担がいつの間にか出来ていた。

最初は家事なんぞ少しも手の着けたことの無い英に一つ一つ朝の眠気に耐えながら説明していたものの最近だと洗濯物やゴミの分別、朝ごはんの準備、色々な事がスムーズにできるようになったらしい

さすが、飲み込みが早い。

さてさて、目も覚めてきたしそろそろ起きるとしよう。
休みだし久々に朝ごはんは私がつくったろ

｢俺、Aのお陰で洗濯機が回せるようになりました。｣

『それはそれはおめでたい』

｢高校生の頃は将来家事をするなんて全然思ってなかっただろうな｣

『最初の頃は洗濯機に逆ギレしてたよね。｢なんでお前こんないっぱいボタンあんの？｣って』

｢今のご時世スマートフォンですから。洗濯機もボタン一つになればいいのに｣

それじゃあ色々困るから洗濯機にはボタンがいっぱいあんだよ英さん。
(そんなに多くは無いと思う)

今やスマートフォンもボタンが無くなってきてるからね怖いね時代の流れって

｢この卵焼きうんまい｣

『でしょ？隠し味入れた』

｢なに？｣

『味噌』

｢まじか｣

今度やってみよなんてすっかり主夫みたいな感じになった彼は味噌汁をズズーっとすすって立ち上がる

｢ほら見ろもう9時じゃん｣

『それはそれは失礼ござんしたね』

これが緩すぎる我が家

まぁ悪くないでしょ？

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