赤葦京治 ページ2
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『ねぇ赤葦』
「君も赤葦でしょA」
『そうでした』
何の変哲もないいつも通りの土曜日
ついこの間籍を入れ、いわゆる新婚な我々なのであるが妻である私は未だに彼の事を『赤葦』と呼んでしまう。
なんてったって彼とは高校時代からの付き合いなのだからこの呼び名が定着してしまっていても仕方がないであろう
だがしかし、我々一応真面目に生きてきた人間なので籍を入れた時には呼び名もこの際しっかりと決めようということになり私は彼の事を『京治』、彼は私の事を「A」と呼ぶことが決定したのである。
まだ慣れない呼び方、昔の慣れで『赤葦』と呼んでしまえばすかさず「君も赤葦だよ」とツッコミが入る。
わざとなわけでは無いのだがもうこれは我々のお決まりとなってしまっているのだ
「それで、どうしたの?」
『聞きたいですか?京治さん』
「そりゃここまで聞いたらね」
『そうかそうか…じゃあこれを見てくれたまえ赤葦よ…』
いや、君も赤葦だから
あ、そうでしたねとさっきやったようなやり取りに京治は呆れつつ私の手にあったそれを受け取る
「お?」
『お?』
「これは…」
『これは?』
「え、これって…ん?」
一度はそれから目を離したものの何かに気が付いたのかもう一度ものすごい勢いでそれを見返す
見事な二度見
『これはなんですかね?京治さん』
「こ、これはエコー写真…ですよねAさん?」
おぉ、珍しく動揺してる
そんな、人を疑心暗鬼するような目で見ないでくださいな。
「本当?」
『本当』
「夢?」
『違う』
なんなら私があなたの頬をつねって差し上げましょうと京治の頬をつねるとイタタタタと言うと共にこれは夢ではないのかという感動なのか単につねられた頬が痛かったのか分からないが静かに涙を流す
「嬉しい、ありがとう…え。信じられない」
『そこをなんとか信じてくださいな』
「ちなみに、な、な、」
『2ヶ月』
「あと8ヶ月か…待てるかな…」
『そこをなんとか待って下さいな』
「うん、待つ。喜んで待つからAは健康に気を付けてよ…」
『おうよ任せとけ!』
さっきまで洗濯物を畳んでくれた彼の手が私の背中を優しく撫でていてなんとなくあたたかかった
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hina hihoho2(プロフ) - おちささん» 研磨更新致しました!大変お待たせいたしました (2020年4月1日 14時) (レス) id: 69de50dc50 (このIDを非表示/違反報告)
hina hihoho2(プロフ) - まりも。さん» 大変遅くなってしまい申し訳ありません!更新致しました! (2020年3月23日 20時) (レス) id: 69de50dc50 (このIDを非表示/違反報告)
hina hihoho2(プロフ) - 仁魅さん» お待たせして申し訳ありません!更新致しました!! (2020年3月22日 21時) (レス) id: 69de50dc50 (このIDを非表示/違反報告)
hina hihoho2(プロフ) - moe0816meronさん» 大変遅くなってしまい申し訳ありません!更新致しました! (2020年3月18日 23時) (レス) id: 69de50dc50 (このIDを非表示/違反報告)
ティコ(プロフ) - すみません、もし良ければ木兎さんと、大地さんお願いしてもいいでしょうか? (2019年11月25日 9時) (レス) id: 0b54166380 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hina hihoho2 | 作成日時:2019年8月6日 23時