僕の隣に君がいるから

菅原孝支 ページ1

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俺はあまり酒が強くないと言うのに昔からよく上司に飲みに誘われるんだ


結婚して妻がいる俺にとっては正直言って断りたい所なのだが仕事での関係上、それは出来ないわけでいいものでは無いが得意の愛想笑いをし、その場をやり過ごす事が多かった。



でもその日に限って、




その日に限っては運悪く半強制的に居酒屋に連れてかれ酒を飲まされてしまい酔いつぶれてしまったのだ


本当は行きたくなかった。
今日だけでも早く帰りたかった。




うちでは愛する嫁が待っているというのに、



今日は初めての結婚記念日だと言うのに、



花束でも買って帰ろうと残業にならないよういつも以上に仕事を頑張ったというのに、







｢あらら、菅原君お酒弱かったかー。こりゃ悪いことしちゃったな｣





そんな上司からの言葉にも頭が回らず返事を返すことが出来ない






｢こんばんは…ってスガ！！お前大丈夫か！？｣





そんな中偶然やってきたのは…多分大地だ。
ぼんやりとしていてよく分からない

そうだ、大地ここの居酒屋の常連なんだっけ…。
世の中は狭いな…




"待ってな、今Aに連絡するから"



しばらくすると確かに大地はそういった
だめだ、こんな日まで迷惑をかけるだなんてだめだ。
せめて今日だけは、今日だけは、
今日だけはダメなんだ。



｢Aがここまで車で来てくれるってさ、とりあえず安心だな｣




あぁ、また俺はAに心配かけることをしてしまった。

はぁ、駄目だ。ため息がでる









『孝支、大丈夫？』




目が覚めれば見慣れた天井で、見慣れた彼女と目が合って、逸らす。



｢ごめん、折角の日に…。俺、また迷惑かけた｣



こんなんじゃ夫失格だよな




『ううん、迷惑なんかじゃない。迷惑なんかじゃないよ。孝支、今日早く帰ろうとしてくれたんだよね？』



思いもしなかった



｢え？｣



てっきり怒られるのかとばかり思ってた



『お昼に渡したお弁当も相変わらず見事に空っぽ。上司さんに聞いたよ、今日は一段と仕事に身が入ってたって。上司さんもそれを見て今日飲みに誘ってくれたみたい』





まぁ、ＮＯと言えない貴方のいい人過ぎる性格は少し何とかしなきゃね。と。

あぁ、そうやって君はまた俺を包んでくれるんだ。







｢いつも有難う｣




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