実.況してみた【実.況者】 (ページ40)

今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:19,506 hit

実況40 ページ40

「…お邪魔します。」

「どーぞどーぞ。あ、そこらへんでくつろいでていいよ。」

中へ案内され、そこらへんに腰を下ろす。

カーペットの上はお世辞にも綺麗とは言えないが生活感漂うものであった。

ぬいぐるみ類が散乱していたり、カセット数個が散らばっていたり。

まるで子供が散らかしたようで、周りを見渡す際に笑ってしまう。

「ふふ。キヨってやっぱ子供っぽいじゃん。」

「は？！今日呼ぶ予定なかったんだよ。気にすんな！」

奥からもう一度顔を、出したキヨは焦った様子を見せ片付けを始めた。

落ちているものを拾い、普通に戻るとキヨは私の隣に腰を下ろした。

その距離はほぼ零距離でドキドキと音を立てる胸の音が聞こえてしまわないか心配だった。

「…何？緊張してんの？」(笑)

「は、当たり前じゃん。そんな男の人の家とかあんまり行ったことないし。」

逆にどうなの？と付け加えると何がだよ、と返された。

「…自分の家に女入れるの、なんとも思わないの？」

問いかけると、一瞬目を伏せたと思うとすぐに向かい合わせるように肩を引っ張られた。

「俺か、なんとも思わないと思う？」

「…。」

その少し熱を帯びた目に何とも言えずただ黙り込んでしまう。

「…なぁ。お願い、していいか？」

「いいよ。」

一つ返事で返して、キヨに向き合う。いざこうするとじわじわと変な汗が出る。

「…お前の、素顔見たいな、なんて。」

「…え、」

照れくさいのか頭を掻き、苦笑い。
でもキヨのこんなお願いに断れるはずがない。

楽しい時間は今だけだから、と言い聞かせ私は今を楽しんだ。

「…いい、よ。」

シンとした空気を感じながらも、手をマスクの方へ持っていく。

もう片方の手で眼鏡を外す。