実.況してみた【実.況者】 (ページ35)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:19,489 hit

実況35 ページ35

ｺﾝｺﾝ

控室でみんなで話をしていると、ノックの後にスタッフさんのような方が入ってきた。

「柳さん、そろそろお時間なので…。」

壁にかけてある時計を見ると、本番一時間前を指していた。
リハーサルはできないから打ち合わせを行うのだ。

「あっ、はい。ありがとうございます。」

スタッフさんにお礼を言って、部屋を出ようとする。
その時に、一緒に駄弁っていた四人の方へ振り返り再度頭を下げてお礼を言った。

「今日はありがとうございました！生放送終わったらまた戻ってくるので会うかもですが…。」

「おうっ！生放送見てるからな！」
「がんばれよ！」
「楽しかったよありがとうね！」
「がんばってね！」

四人とも嬉しくなるような言葉をかけて、手を振ってきた。
それがすごく心に来て、思い切り笑ってドアノブに手をかけた。

*

Side.KIKKUN-MK-Ⅱ

「お、きたきた。」

FBが椅子に腰掛けたままこちらへ来る柳ちゃんのことを言っていた。

「あーやっぱ、本物可愛いって！ね？えおえお。」

「え、うん。まぁ可愛いと思うけど。」

まだ、フードを被っていないえおえおは眠いのかぼーっとしながら返事を返してきた。

「え、と。そのさっきはすみませんでした…。ちょっとびっくりしちゃって。」

マスク越しで、多分苦笑いをしている彼女は近くで見ると小柄で細身だった。

「いやっ！ぜんぜん！こっちこそ驚かしちゃったよね。」

「え、いや！そんなこと、ないです。」

へらりと笑って改めて自己紹介に入った。

「はじめまして、柳です。本日はよろしくお願いします。」

そう言って少し控えめのお辞儀をした。
それを見たFBは一目散に自己紹介を始めた。

「FB777です！さっき自己紹介したからわかると思うけど。」

「あろまほっとでーす。よろしくね。」

「eoheohです。よろしく。」

三人が彼女に向かって自己紹介を終えたとの同時に俺は立ち上がって彼女に、向き直る。

「漆黒の堕天使的存在、古に伝わりしKIKKUN-MK-Ⅱでぇす！よろしく！！！」

一息で言い切り、決めポーズをとってみる。

が、反応が悪く柳ちゃんは頭にはてなを浮かべていた。

「あ、えと、よろしくお願いします。」

彼女には、まだ早かったようだ。