実.況してみた【実.況者】 (ページ14)

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実況14 ページ14

忙しいから、と電話を終えたもののまだ服も着ていなければ朝ご飯も食べていない。
今日のすることも決まっていないから別にどうということはないのだけれども。

「んー。とりあえず着替えよっかな。」

タンスから適当に服を取り出し着替えをする。
いや、その前に風邪ひきそうだからもう一回お風呂に入ろう。

湯船に浸かりながら、今日の予定を立てる。
とりあえず起きたのが7時ちょっとだったから今はもう8時くらいかな。

よし、身支度全部済ませたら10時前くらいになるからそこから午後まで出かけよう。
行くとこなくなったら、家に戻って実況録り溜めすればいっか。

自己完結を済ませ、髪や体を洗いすぐにお風呂から出た。

計画(仮)よりも早く準備ができてしまい、家を出た。
持ち物はお金とスマホだけ。
あとは何も持っていない。ハンカチやティッシュ、その他のものを持つほど今は女子力高めでもない。

「どこ行こっかな。ゲーム買うのもいいけど服も欲しいな。」

最寄りのバス停で、バスに乗り繁華街へ向かってみた。
もちろん、ゲームも服も売っているところにだ。

「あ、新しいゲーム買ってみようかな。」

ふと目に止まったゲームシリーズ。
少し前に発売がはじまって何度か店で見たものの欲しいとまでは思っていなかった。

だが、こんな感じの自由系ゲームは面倒くさがりの自分にぴったりだ。
面倒になれば、放置していてもそんなに支障はないしストーリーが決まっているわけでもない。
買おう、そう思って商品棚に近づく。
ゲームを手に取り裏側の説明欄を見ていると幼い声が響いた。

「ねぇ、ママっ！僕もこれほしい！！」

そちらを見ると私の方を指差してママさんらしき人におねだりしている子供がいた。
正直言って、指差ししてほしくないし大声で私を紹介()するのもやめてほしい。

「こらこら、この前パパに違うの買ってもらったでしょう。」

「やだやだやだやだやだやだっ！これ僕ほしいっ！！」

店の中とはいえ、こんなにも騒がれると子供嫌いがもっと嫌いになってしまうではないか。
なるべく子供を見ないようにとゲームを手にそそくさとその場を離れた。

指を指された私にももちろん注目は集まるもので、いい大人がこんな子供っぽいゲームを買うのは気が引けるので、レジで少し威張りながらギフト用にと言ってしまった。

「あの、餓鬼くんのせいで余計にラッピングしてしまった。牛沢にでも自慢してやろうか。」

余計なことを言ってみた