After*7 rtrt another story ページ7
Side.キヨ
「ねぇーレトさーん。最近さ、A冷たいんだけどー。」
「え…誰それ？」
あっ((
本名を言ってしまい、少しギョッとしてしまうがそこは気にせずにスルーする。
「…でさでさ、電話してもなんか地味にそっけないしさー俺なんかしたっけ？」
「えー…と、柳ちゃんであってるのかな？」
察してくれたレトさんに俺は首をおおきく振り頷く。
先日、わざわざ家まで出向いてきてくれたにも関わらず、急に不機嫌になって帰ってしまったのだ。
「…え、もう潮時…？」
「…もしかしてキヨくん無自覚な感じ？」
「へっ？」
びっくりしてレトさんの方を見ると、俺を貫くような目でこちらを見ていた。
と、いうかなんか哀れみの目で見られたんですけど…。
「…いやいや、だから何も気づいてないん？」
「…俺なんにも覚えてないんだけど。」
その言葉にがっくりしたレトさんに俺は何もわからず、なんだかもどかしい気分になった。
部屋をキョロキョロして、その原因になるものを探しても見当たらない。
もしかして、俺の料理が不味かったとか？
そんなことも考えたが、答えは全然違うもので。
「…キヨくんネタやとは思うけど、女優さんと結婚したいとかなんとか言ってたんじゃない？」
その一言に俺は、はっとする。
そういえば、と俺は思い出し嫌な汗が背を伝う。
*
『あ、キヨ？そういえば、なんだけど…。』
『ん？どったの？』
俺は、携帯を触りながら話す。
確かお昼過ぎくらいでもう頭がぼうっとしてた気がする。
『――――――…って、―――だけど、――――――？』
『あー、うん。』
何をネタに呟こうか、迷っていて人の話を聞こうともせず流していた。
そして、思いついたのがしばらく前に言った"女優さんと結婚"だった。
それで、ふとした瞬間に出た言葉でAが気づいてきっと不機嫌になったのだろう。
*
「…あー…確かにあったような。」
「ほれ見たか。とりあえずおれは実況も撮ったし、帰るね。また連絡ちょーだい。」
そう言ってそそくさと立ち上がるレトさんを見送って俺は携帯から見慣れた名前を押し通話を始めた。
((やっべぇ、ちょー怒ってるぅ。でもまぁ許してくれたみたい))
((次会うときはちゃんと謝ろう))
((ってか嫉妬してくれてんの？))
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作者名：ゆずぽんぬ | 作成日時：2017年7月26日 17時
