episode 200 消える罪悪感 ページ50
※ﾐﾝｷﾞｭside
漠然と過ぎていた俺の心の隙間は、どんどん彩りで埋め尽くされていった。
何気ないやり取りを続けていると、ヌナの気怠気な声が無性に聞きたくなる。
内容はあるようでないような。
でも大半は次に会う為の約束を取り付けたくて脳内でアイデアを張り巡らせて。
「ミンギュヤ、、、最近スマホばっか気にしてない？」って、メンバーの皆に突っ込まれるくらい。
ヌナからの返信を待ち焦がれてる自分に、ふとジョングクの影がチラつく。
そんな今日も、夕飯の時間を割いてヌナに電話を掛けた。
ﾐﾝｷﾞｭ「もしもしヌナ？もう家着いた？」
ルカ「今日もお仕事お疲れさま＾＾ うん、これから夕飯食べるとこ〜」
ﾐﾝｷﾞｭ「へぇー！何食べるの？ヌナって料理得意？日本の料理とかも作るの？」
ルカ「めっちゃ質問攻めだね。笑 料理は好きだよ＾＾ こう見えて栄養学専攻してたしね。」
ﾐﾝｷﾞｭ「そうなんだ！いいなー、ヌナの手料理食べてみたいなぁ」
ルカ「うーん、、、まぁそのうちね。笑」
俺が積極的にキッカケを作ろうとすると、決まってこの一言で予防線を張られてしまう。
その度に胸の奥がチクチクする。
この感情は、一体なんなんだ？
俺、、、おかしいんだ。
頭の中がどんどんヌナの事でいっぱいになる。
俺の親友の好きな人、だから。
好きになっちゃいけないってわかってる。
それなのに、何故＿＿＿＿＿＿＿、
気持ちと行動は伴わない。気がつくと宿舎を抜け出して、ヌナの住むマンションの近くまで来ていた。
ルカ「え？まさか、、、本当に近くまで来てるの？」
ﾐﾝｷﾞｭ「、ごめん。急に迷惑だったよね？」
ルカ「、、、別にいいけど。」
ﾐﾝｷﾞｭ「いいの！？じゃあ直ぐ行く！！」
「散らかってるけど、どうぞ」って入れてくれた部屋は、几帳面に整えられて優しくて甘い香りに包まれていた。
ﾐﾝｷﾞｭ「ヌナ、もしかしてすっぴん？」
ルカ「そうだけど、、ってそんなに見ないでよ。笑」
ﾐﾝｷﾞｭ「ううん＾＾ 可愛いよ、ヌナ」
ルカ「冗談やめてよ。笑」
冗談じゃないよ。
顔を両手で恥ずかしそうに隠してるヌナを今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られてるのに。
さっきまで宿舎で飲んでいたアルコールのせいだ。
小さなヌナの体を引き寄せて、体温を感じた瞬間。
ジョングクへの罪悪感も消え失せてしまったんだ・・・
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作者名：Apple | 作成日時：2023年1月19日 1時
