彼女は傷つかない４［BTS］ (ページ13)

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episode 163 二度目の失恋ページ13

※ｼﾞﾌﾝside

V先輩の突飛な提案に、俺以上に驚いていたのはヌナだった。

さっきまですごい形相だったV先輩な奇妙なほどの笑顔を俺に向ける。

ﾃﾋｮﾝ「別に取って食ったりしないよ。笑せっかくここで会ったのも偶然じゃない気がするし、、、ね？、」

俺は自然とヌナの方を見ると、気まずそうにただ頷くだけのヌナ。

気まずいに決まってる。

V先輩にも勿論原因はあったけど、二人が離れるきっかけを作ったのは俺で。

憎まれてもしょうがない。それなのに・・・

V先輩とヌナが連れてきてくれたのは個室の和食屋さん。

V先輩曰く、ここの天ぷらが最高に美味しいらしいってTVで言ってたって。

戸惑う俺を他所に、メニュー表を広げて俺とヌナに食べたいものを選ばせようとするV先輩にヌナもだんだん笑顔を見せるようになった。

目の前の二人は誰がどう見たって、愛し合ってる恋人同士にしか見えない。

俺、、、一体何してたんだろう、

ルカ「ジフニ？好きなの何でも頼んで！ここはテヒョンの奢りらしいから＾＾」

ﾃﾋｮﾝ「遠慮しなくていいよ、、あ。俺もジフナって呼ばせてもらおうかな、、俺のこともヒョンって呼んで＾＾」

最初から、、、敵うはずがなかった。

事務所も違うし正直見た目の印象でしか先輩のことはわからなかったけど。

こんなに優しくて良い人を、俺は・・・

「、、、っ、はは、、」

小さく出た笑い声は、二人には聞こえない。

何だか何もかも、どうでもいいやって。自分にも呆れた。

「、、じゃあ、Vヒョンって呼ばせていただきます＾＾」

そう言うと満足したように頷いたヒョンとそのやり取りを眺めているヌナ。

妙な緊張感に包まれていた室内はいつの間にか穏やかな空気に満ちていく。

Vヒョンってなんか不思議な人だな、、、

話は脱線して音楽の話になると、飲んだお酒がまわったのかウトウトし出したヌナを膝に寝かせてあげたVヒョンは、愛しくて仕方ないって顔してる。

それが綺麗すぎて、、もう嫉妬もさせてくれないなんて。

ﾃﾋｮﾝ「もうお開きにしよっか、、ルカ！、、もう全然起きないな。笑」

安心しきってたヌナの寝顔に触れられるのはもう俺じゃないんだって、、、また失恋に似た痛みがしたけど、

「ヒョン、、、ヌナとお幸せに＾＾」

帰り際の言葉、これは俺の心の中の本音。

でも暫くはまた、この痛みに付き合わなきゃいけなさそうだ。