episode 128 許されるなら ページ28
ミンジョンさんが悪態をついて出て行った部屋で。
私はテヒョンの腕の中で泣きじゃくっていた。
まだ半信半疑だった心は、バランスを保つことが難しくて。
テヒョンとミンジョンさんの報道が出た時、私を慰めてくれたこと。
その温もりに全てを委ねた私は、真っ直ぐに愛を伝えてくれたジフンを本当に好きになった。
知れば知るほど、ジフンの心も体も、、、私の領域なんて飛び越えてくるほどの熱い想いをくれたのに。
全部仕組まれたこと、、、それが本当にミンジョンさんのいう通りなら。
起こった出来事全部の意味が変わってしまうような気がして。
信じて築き上げてきたものは、音を立てて崩れて。
また私の前から消えていく、、、
「ルカ、、落ち着いた?、」
テヒョンが私の背中をさすりながら、子供をあやすように優しい声を掛けてくる。
ルカ「、、ごめんなさい、、もう大丈夫だから、」
テヒョンから離れようとした瞬間、また強く胸元に引き戻された。
テヒョン「戻ってきてよルカ、、ルカの居場所はちゃんとここにあるから、、、」
ルカ「・・・・・・」
すぐには何も答えられなかった私の心の中は空っぽだった。
乾いた頬にはまた涙が伝って、その度にテヒョンは飽きることなく抱きしめてくれた。
テヒョン「ルカ、、今すぐとは言わない、でも、、俺ずっと待ってるから、」
夜が明けるまで側にいてくれたテヒョンは、私が消してしまったテヒョンの連絡先を書いた紙をテーブルに置いて帰っていった。
寝そべったまま天井を眺めると、ふと香るのはジフンがプレゼントしてくれたアロマの匂い。
今その香りを吸い込むにはあまりにも辛くて。
スマホを開くとジフンから届いてた大量のメッセージと着信。
行きたがってた日本での仕事は順調みたい。
良かったね。応援してるからねって。
本当はそう伝えたかった。
少し前までは幸せな恋人同士のはずだったのに、今はこんなに遠く感じる。
ボサボサの髪に涙でアイメイクも落ちて、、なんて酷い顔。
シャワーを浴びると、首筋にはテヒョンが付けたキスマーク。
きつく吸い付いたのがわかるほどの赤い印に、テヒョンの肌の感触を思い出してしまう。
私・・・素直になることが怖くて言えなかったけど。
許されるなら、貴方ともう一度向き合ってやり直したい。
ねぇ、、、テヒョン、、、
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作者名:Apple | 作成日時:2022年11月8日 23時