彼女は傷つかない３［BTS］ (ページ1)

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episode 101 涙の理由をページ1

いつも通りTREASUREの宿舎で業務をこなす。

「今日の夕飯、、何作ろうかなぁ、、、」なんて独り言なんか呟きながらたまたまつけたテレビ画面。

ルカ「、、え？、」

画面の奥にはネイビー色のスーツを纏った彼がカメラのフラッシュを大量に浴びながら壇上に上がっていく。

カメラに視線を合わせて、特徴的な三白眼の瞳を向けると深々とお辞儀をして。

一体何が始まるんだろう、、

内容が気になるより前に私が画面から一歩も動けなくなったのは、そんなテヒョンと目が合ったような気がして心臓が飛び出しそうになってしまったからだ。

「今マスコミ等で取り沙汰されている内容について、弊社所属のBTS・Vより皆様に直接お話がございます、」

隣に座ったお偉いさんらしき人がテヒョンにマイクを差し出した。

ﾃﾋｮﾝ「、僕は、、モデルのパク・ミンジョンさんと交際していません。、、報道はデタラメです。、、正確には、、『元』恋人ではありましたが、今は違います、」

真っ直ぐ視線を逸らさずに話すテヒョンは、淡々をしていて一切の迷いはないみたいに。

これだけのことを直接話すなんてリスクしかないのに。

もう、、私には関係ない。

別れを選んだのは私。

、、、ミンジョンさんと離れられたなら、次はどんな人が彼を愛するんだろう。

そして、、彼自身も。

どんな人を愛するんだろう・・・

ルカ「、、っあ、、、」

なんで、、、どうして今更、、、涙なんて出るの？

この涙の理由もわからないまま、ただ画面の前に突っ立っていることしかできなくて。

ﾃﾋｮﾝ「、、俺には、、、大切な人がいます、その人のためにも些細な間違いでも正したかったんです、」

テヒョンのその言葉に一斉に騒つきだした会場は、テヒョンの言葉で静まり返った。

ﾃﾋｮﾝ「俺は彼女を、、、心の底から愛しています、」

止めたいのに、止まらない涙に自分でも呆れてしまうくらい。

ルカ「、、テヒョン、っ、、もう、ダメなんだよ、、」

もう遅いんだよ、、何もかも。

そんな言葉を無様に呟きながら、鳴り出したスマホにはすぐ出ることが出来なかった。

泣いたままじゃ、ジフンからの電話には出られない。

それなのに、、、まだ溢れて止まらない涙は、熱くて苦しい。

こんなに自分をコントロールできなくなるなんて。

私の方こそ、どうかしてる。