episode 117 その手を離したのは ページ17
※ﾃﾋｮﾝside
大好きなルカ、、ずっと会いたかった恋人、、、
近づけば抱きしめられる距離にいるのに。
目の前にいる彼女の手を取るのは俺じゃない、、違う男。
そいつはルカを引き寄せて離そうとせず、しまいには指を絡ませて見せつけようとする始末。
その手を離せよ、、、見たくないんだ。
ルカは俺だけのものなのに、、、
なのにヒョンや外野のスタッフに止められて身動きの取れない俺は、これ以上彼女に近づくことさえ許されない。
ねぇルカ、、、俺を見てよ。
ずっと俯いたまま、パク・ジフンに触れてる手を離して、、、
俺に悲しむ権利なんてないのに、あまりの悔しさに心が押しつぶされそうになる。
「戻ってきてよ、、、簡単に忘れることなんて出来ない、、」
そんな情けない言葉しか出せないけど、、それでも。
カッコ悪くても必死に縋ってしまう。
溢れ出した涙が、、、その証拠だろう。
ｿｸｼﾞﾝ「テヒョナ、、、っ、ルカ、、今はその彼が好きで一緒に居たいのなら俺たちにそれを止める資格はない、、、けど、、テヒョンの気持ちもちゃんと最後まで聞いてやってくれないか？、それと、、、君にも迷惑かけてすまないと思ってるけど、、、わかってほしい、」
そう言ってパク・ジフンにも頭を下げたジンヒョン。
本当なら俺がしっかりしないといけないのに、、、
ありがとうヒョン、、、ごめんなさい。
「、、テヒョンでしょ、、？」
久しぶりに俺の名前を呼ぶルカの声は震えていて。
ｼﾞﾌﾝ「、、ヌナ？、」
俯いていた顔を上げると、眉間に皺を寄せて。苦しそうに、、
ルカ「先に私の手を離したのは、、、テヒョンでしょっ？、、、私感じてた、、、ずっと、、っミンジョンさんとは終わってないんじゃないかって、不安だった、、、」
ぽろぽろ真珠みたいに綺麗な涙がルカの頬を濡らす。
小さくて弱々しい彼女を抱きしめたい。
俺ずっと後悔して、、、自分をひたすら恨んだ。
同じ過ちは繰り返さない。
これからは不安になんてさせないから、、
ﾃﾋｮﾝ「もう絶対そんな気持ちになんてさせない、、っだから、、」
ｼﾞﾌﾝ「ちょっと先輩っ、、何言ってるんですか！？、」
「もう、、やめよう、、」
一触即発の空気を割いて、俺の目を見つめたルカは。
パク・ジフンの手を引いて、俺たちの前から居なくなってしまった。
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作者名：Apple | 作成日時：2022年11月8日 23時
