彼女は傷つかない ２［BTS］

episode 93 募る ページ43

※BTS side

長かったようで短かった海外公演も残すところあと僅かになった。



各地を転々としながら最高のライブにするために余念のない俺たち。




でも、、、たった一人大切な彼女の『今』が気になって、ライブ以外のところでは皆無口になってしまっていた。




そして、当事者の一人であるテヒョンがルカとちゃんと話が出来たのか。




俺たちは知る由もないけど。




テヒョンの態度を見てると、二人の間は険悪なままなんじゃないかって事だけはなんとなく伝わってきたから。



敢えてルカの話をするのは控えていた。





それに、問題はまだ山積みだ。




ミンジョンとの報道からマスコミが俺たちの周りをしつこく嗅ぎ回っては誤った情報まで独り歩きしてること。




いや、これはまだマシな方だ。






わざわざ俺たちの公演先までミンジョンの名前で差し入れや花が届くようになった。



しかも熱愛報道があってから以降、スタッフ経由で届くようになって。



それが周囲のスタッフを、テヒョンとミンジョンが本当に恋人同士なんだと信じさせてしまう材料になっていた。




「テヒョンさんとミンジョンさん美男美女で素敵なカップルだよね〜」



現場スタッフの、きっと嫌味でもなんでもないはずの言葉にもイライラしてしまうから、感情を隠すのに毎回必死だ。




ｼﾞﾐﾝ「ジンヒョン、ラーメン食べますか？」



ｿｸｼﾞﾝ「、、いや、もういいや。ジミナはしっかり食べろよ？、ジョングガも、、」



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、俺ももういいです、」



スマホの画面を開いては溜め息ばかりついてるジョングクは、好きなラーメンにも箸をつけずにうなだれていた。



ｼﾞﾐﾝ「、、返事こないのか？、」



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「・・・・・・」



ｿｸｼﾞﾝ「ルカ、、大丈夫かな、」



ルカの話題になった途端、それぞれ言葉が見つからなくて黙ってしまう。




俺たちはテヒョンがルカに内緒でミンジョンと時々会ってたことに気づいていたのに、見てみぬフリをしていた。



だから俺たちも共犯者だ、、、




ルカを傷つけた共犯者＿＿＿＿＿＿＿、










最後にルカと話してから電話を掛け直す勇気も出せない俺は。





毎晩カメラロールに保存されているルカの写真を眺めては、自分のしてきた過ちに後悔しては勝手に泣いて。






ﾃﾋｮﾝ「、、ルカ、、俺、、、本当にバカだ、、、」






泣きたいのはきっとルカの方なのに・・・

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