episode 96 砂の城 ページ46
久しぶりに聞く彼の声は、怯えるみたいに震えていて。
話す言葉も慎重に選んでるようだった。
テヒョン「、、俺もっ、ルカに話したいことがあるんだ、、」
最後の言い訳でも聞いてやろうなんて、意地の悪いことを考えていたわけじゃないけど、
ルカ「、じゃあ、、、テヒョンの話から聞くよ、」
「ちょっと待って、」ってガサガサ物音が騒がしい中、咳払いをして呼吸を整えるテヒョン。
テヒョン「、俺、、ミンジョンとはもう終わったんだっ、、もう二度と会わない、今は信じてもらえないかもしれないけど!、、もうルカを失いたくないっ、、だから、、」
言葉を詰まらせながら話すテヒョンの声を、淡々と聞けてしまう自分に気づいて。
あのまま私一人きりだったらきっと。
心からの謝罪も。失いたくないって、言われたら嬉しすぎるはずの言葉も。
今は耳に届いては消えていくだけ。
ああ、そうか。
私の方が、とんでもない女だったのかな。
ごめんなさい、テヒョン。
テヒョン「、、明日帰るから、、だから待ってて欲しい、、」
もう私には全部、届かない_____、
ルカ「、それはできない、、、」
テヒョン「、、え、、ルカ、、?、」
スマホを握る手がぎゅっと強くなった。
ルカ「、、もう終わりにしたいの、、、テヒョン、」
テヒョン「、、ルカっ、、嫌だよそんな!、っ、別れるなんて、、嘘だよね?、、俺ちゃんと変わるから、、俺にはルカしかいないんだっ、、」
私だって、、あの時はそうだった。
別れたくなんてなかった。
でも、今は。
貴方じゃダメなの、、、彼じゃなきゃ。
私がどれだけ苦しくて、悲しくて、
毎晩どんな顔で泣いてたのか。
テヒョン、、、貴方は知らないでしょ?
信頼も愛も、砂の城みたいに。
裏切れば簡単に崩れてしまう。
ルカ「、、他に、、、好きな人がいるの、、」
この言葉が出た瞬間、時が止まったみたいで。
貴方に好きだって言われた時もそうだった。
今、魔法が解けてしまったのかもしれないね・・・
ルカ「、テヒョン、、今までありがとう、、どうか元気で、、」
テヒョン「・・・・・・っルカ、、」
最後に泣かせてしまったのは、私の方だったね。
ルカ「、、さようなら、」
通話を切った時、窓に映る自分の顔は。
涙でいっぱいになっていた。
episode 97 彼女のいない家→←episode 95 向き合う勇気
761人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星空(プロフ) - 続きが楽しみです!テヒョンさんとミジョン?の関係がどうなるかがすごく気になります!! (2022年10月5日 16時) (レス) @page25 id: d8561d62a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Apple | 作成日時:2022年9月2日 0時