彼女は傷つかない ［BTS］

episode 44 この関係の名前 ページ44

不機嫌そうな顔のジョングクさんに腕を掴まれて引っ張られるようにマンションの中に入った。

ルカ「何か怒ってます？、私何か気に障ることしましたか？」


ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、さっき誰と連絡取ってたの？俺たちからの連絡は無視したくせに、」


ルカ「電話の事はすいません、、でも仕事中に何十回かけられても出られませんよ。やり取りしてたのは新しい依頼主の人達ですが、」


ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「連絡先教えたの！？」


ジョングクさん、なんでそんな必死な顔してるんだろ。


ルカ「はい、、グループチャットの方が連絡取りやすいからって。でもジョングクさん達も私の連絡先知ってるじゃないですか。」



こちらもあちらも、私からすれば対等の依頼主。


深い溜め息を吐いたジョングクさんは腕を離さないまま、私を部屋の中へと連れ帰った。



玄関には怖い顔をしたユンギさんとジミンとジンさん。


ﾕﾝｷﾞ「早く帰ってこいって言ったよな？」


ドスの効いた低い声。なんで帰宅早々尋問されないといけないの？



ルカ「あちらは12人もいるので大変なんですよ、、仕事量が増えたからこの時間になっただけです。」


すり抜けようとするとジミンさんが私の髪に触れた。


ｼﾞﾐﾝ「なんか、、美味しそうな匂い。夕飯何作ったの？」


ルカ「皆さんのリクエストで、お好み焼きを、、、」


ｿｸｼﾞﾝ「俺たちにも作ってくれた事ないのに！？、」



いやいや、最初に作ったものに箸もつけないで捨ててた人が言う？



初日楽しく仕事が終わって、感謝のメッセージまでくれて嬉しい気持ちだったのに。


まるで法廷に立たされた被告人みたいで、気分は最悪だった。


ルカ「もう、、付き合いきれません、」


ｿｸｼﾞﾝ「、っえ？、、」


ｼﾞﾐﾝ「、待てよ！、ルカっ！、」


ジミンさんに掴まれた腕を思いっきり振り解いた。



ルカ「じゃあ、、っ、私にっ、、どうしろって言うんですか、、」



ﾕﾝｷﾞ「、、、ルカ？、」



こんなの普通じゃない。




理不尽に振り回されるのは疲れた。



教えてよ、この関係の名前を。



ただの暇つぶしの抱き枕なら、こんなに執着しないで。



張り詰めた糸は、限界まで伸びていて。


本当はそれを保つことも出来ないほど疲弊していた。


こんなにも容易く、惨めに泣き崩れるほどに。


涙の洪水はリビングにまで届いたんだろう。



駆け寄って優しく抱きしめてくれたのは。



あの夜頭を撫でてくれたテヒョンさんだった。

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