episode 237 The scent of sin ページ37
警戒しないでって言われて余計に硬直してしまうと、隣でケラケラ笑うジヨンさん。
オレンジの夕陽がどんどんネイビーブルーの夜に変わる頃、どんどん人気のまばらな所を車が走ってることに気がついた。
カスミ「ジヨンさんあのっ、、、私そろそろ帰らないと！心配するので、、、」
ｼﾞﾖﾝ「そろそろ着くからもう少し俺に時間、、、くれない？」
赤信号で停車すると切長の目が私を見つめる。
その目に不覚にもドキッとしてしまって、心の中でユンギに謝った。
カスミ「、、わかりました。」
車内で聴こえる洋楽のBGM、クラクラするほどの甘い香り、
ユンギと違いすぎるジヨンさんが、余計にユンギを思い出させる、、、
ｼﾞﾖﾝ「着いたよ＾＾」
ジヨンさんに導かれるまま降りると夜景を一望できる展望台。
マンションから見える夜景とは全く違う、空気が澄んでて気持ちがいい、、、
カスミ「わぁ、、、！綺麗、、、」
ｼﾞﾖﾝ「でしょ？たまに一人で来るんだよ。考え事したい時とか、、、」
正直意外だった。だってジヨンさんっておしゃれで周りにもそんな人が大勢いて、都会の真ん中で高級車を乗り回してるイメージだったから。
穏やかな風にスカートの裾がサラサラなびくと、寒くない？って自分が着てた上着をさり気なくかけてくれる。
肩に掛かったところからも感じる、さっきの甘い香り。
ジヨンさんと視線がぶつかると、そっと距離が近づく。
、、、なんか今日のジヨンさん、様子がいつもと違う。
わざと視線を逸らすとぐっと体を引き寄せられる。
ほんの少し手が震えてるのが伝わって、冷たい体温が上昇していくのがわかる。
カスミ「あのっ、、、ジヨンさっ、、、！！」
急に力強く私を抱きしめたジヨンさんに、呆然としてしまって頭が真っ白になってしまった。
ユンギとは違う腕の中で色んな思いが散らばって困惑する。
ｼﾞﾖﾝ「ごめん、、、黙っておくつもりだったけど、、、でももう我慢できない、、、カスミが好きだ、」
、、、え？今ジヨンさんは何て言った？
予想もしない告白に尚頭の中が真っ白になる、、、
ｼﾞﾖﾝ「カスミには恋人がいて、俺が間に入る隙なんてないってわかってる、俺だって他人の女になんて興味なかった、、、なのに、、、君は特別なんだ。彼には申し訳ないけどどんどんこの気持ちが強くなって、自分でもどうしたらいいのかわからない、、、ねぇカスミ、、、今この時間だけでもいいから、、、俺を見て欲しい、、、」
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作者名：Apple | 作成日時：2022年6月4日 1時
