episode 233 想いが叶うなら ページ33
※ｼﾞｮﾝｸﾞｸside
なんて無様なんだ。
カッコ悪い姿は見せたくないのに、我慢すればするほど涙は溢れて止まらない。
覆い隠したいのに、両手はルカの手を必死に握っている。
なんだよ、あんなに拒絶したくせに。
さっきまでは否定的な言葉の鎧で俺を受け入れようとしなかったくせに。
どうして今は離してくれないんだ。
泣いてるルカの表情を見て、余計に胸が締め付けられる。
その瞳に吸い寄せられるように、涙で濡れた頬に触れた。
＿＿＿＿＿ルカにとって一番大切だったのは何だったんだろう。
テヒョニヒョンと過ごした『幸せ』な記憶？
それとも俺が知らない間に過ごしたミンギュとの時間？
水面ギリギリでなんとか保っていた想いが溢れる限界を迎えるのを堪えては、卑屈になってしまいそうな感情を仕舞い込む。
俺はルカに選ばれない。
一番欲しかった『愛してる』も貰えない。
ああ、、、いっその事、俺も忘れてしまおうか。
＿＿＿＿＿＿今までの『過去』、全部。
「、、、ジョングク、」
いつの間にか泣き疲れてしゃがみ込んだ俺の肩を摩るルカの声で、ぼーっとする感覚から醒めた。
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、ルカにとって、、、俺は何？」
もう何でもいい。
こんなにかっこ悪い姿を晒したんだ。
迷惑極まりない男の称号でもなんでもいい。
今なら、、、諦めもつくかもしれない。
だから聞かせてほしい。
唐突な俺の言葉にルカは驚くこともなく冷静で。
もしかしたら呆れてめんどくさいなって思われてそうだ。
、、、そう思ってたのに。
ルカ「、、ごめんねジョングク、、、私、、、」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、え、、？」
ルカとの距離が近づいて、不意打ちに掠めた唇。
俺の頬を撫でた彼女は今までで一番柔らかな顔をしていた。
ルカ「離れた方が楽になれると思ってた、、でもっ、もう嘘つけない、、、」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、ルカっ、、それって、」
目と目があって、絡み合う指先は熱を持ち始める。
ルカ「、、誰のことも傷つけたくなかったのに、、、ミンギュのことも、、、ジョングクのことも」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「いいから、、、ルカの正直な気持ちを聞かせて？」
ルカ「愛してくれて、本当は嬉しかったの、、、ジョングクのこと、忘れたくないよ、、」
ルカの真っ直ぐな言葉に心臓がヒリヒリする。
夢じゃないよね？ルカ、、、
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作者名：Apple | 作成日時：2023年7月24日 10時
