episode 231 募る焦燥 ページ31
※ｼﾞｮﾝｸﾞｸside
拒絶の言葉と共に虚ろな目で俺を捉えた彼女を、無我夢中で抱きしめる。
ルカ「やめてジョングクっ、、、苦しいよ、」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「嫌だっ、、絶対嫌だ、」
目の前にいる愛しい人。
その人の心はまた俺から遠ざかろうとしている。
ルカ「言ったでしょう？、、もう関わらないでって、そのままの
意味だから」
俺を冷たく遇らおうとする彼女の瞳は揺れている。
わかってるよ、全部嘘なんでしょ？
ルカ「もう私たち、出会っちゃいけなかったのに」
ねぇ、、、もう全部思い出しちゃったの？
俺が絶対に隠したかったことも、傷つけてしまった過去も。
もう少しだけ誰にも邪魔されないこの関係を味わっていたかったのに。
俺、失敗しちゃったのかな＿＿＿＿＿＿、
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「全部思い出したの？、、、最初から全部、、、」
ルカ「、、私ほんとに狡い女だね、辛い過去に蓋をして逃げた。だからいつの間にか、、、忘れちゃってたんだ」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「ルカは何にも悪くないよっ！！、、、悪いのは全部、、、俺達だから、」
ルカ「・・・・・」
黙ってしまったルカは俯いたまま大きく深呼吸をした。
その度に彼女がどんな言葉を放つのか焦っていた。
ルカの口からテヒョニヒョンの名前が出てしまったらって怯えて、、、怖かった。
ルカ「ううん、、、もういいの。終わったことだし、それに私も悪かったから」
さっきの霞んだ表情とは違う、少し晴れやかに笑ってみせたルカは急にベッドから起き上がった。
ルカ「私が身分不相応だったのがいけないの。勝手に期待して傷ついて、、、だから何も悪くない、」
俺をしっかり見つめたルカは照明に照らされて綺麗で、それだけでまた心臓を鷲掴みにされる。
それと同時に不意に触れられた指先の感触に戸惑った瞬間。
逃がさないように強く握り返した。
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「ねぇルカ、二度と会わないなんて言わないでっ、、、やっと見つけたんだ、絶対に離したくないっ、」
必死で縋り付いて、口にしたくない人の名前を告げる。
彼女の真意を知るにはそれしかないと思ったからだ。
「それとも、テヒョニヒョンのことまだ気にしてる、、？」
ルカ「違うよ、、、でも知りたかった、自分のこと。だから思い出せたことは感謝してる＾＾」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、え？、」
ルカ「これで、、綺麗さっぱりさよならできる」
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作者名：Apple | 作成日時：2023年7月24日 10時
