彼女は傷つかない５［BTS］ (ページ29)

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episode 229 心の距離ページ29

※ｼﾞｮﾝｸﾞｸside

突然のキスをせがんだ俺を前に、目をまんまるくしたルカはすぐに目を逸らした。

ルカ「何言って、、、ダメに決まってるでしょ」

動揺してる？、、それとも、、、

僅かな彼女の態度の変化を俺は見逃さなかった。

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、キスがダメなら今夜ここに泊めて？」

ルカ「え！？、、そんなの無理に、」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「服もまだ乾いてないし＾＾それに俺風邪ひいたら怒られるからさ、、、お願い、」

ルカ「・・・・・私朝出るの早いけど、一緒に出てもらうからね、」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、うんっ！、、ありがとうルカ＾＾」

焦ったらいけない。

同じような過ちは絶対繰り返さないって心に誓った。

今はミンギュのことは口を噤もう。

変に距離を詰めすぎて、嫌われないように。

ルカが、テヒョニヒョンを愛してた記憶を思い出さないように。

情けないって嘲笑ってもいいよ。

俺は好きな人のためなら、臆病者にも卑怯者にもなれるんだから＿＿＿＿＿＿、

＊＊＊＊＊＊

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「ねぇルカ、、、ほんとにソファで寝るの？体つらくなるから一緒に寝ようよ、」

ルカ「いいの。私の事は気にしないで。おやすみなさい。」

そう言って毛布一枚だけ掛けて、リビングのソファで横になったルカの横顔を間接照明の灯りが照らす。

ベッドを譲ってもらった俺は、静まり返る空間にぽっかり浮かんだままで眠れなかった。

甘い香りのシーツに包まれて、ルカとミンギュの事を考えずにはいられなくて。

どれだけの時間を過ごしてきたんだろう。

どれだけの熱量で愛し合ったんだろう。

互いの隅々まで知り尽くしたんだろうか、、、

「、、、っ、、ん、、ハックション！」

雑念を掻き消したルカのくしゃみに、リビングを覗き込んだ。

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、ルカ？、、大丈夫？」

触れたルカの指先は冷たかった。

ルカ「大丈夫、、ちょっと寒いだけ」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、こっちきてルカ」

ルカ「ん？、、ちょっ、、！、」

暴れるルカを抱えて、ベッドに寝かせた。

勿論、その横は俺の特等席。

後ろから抱きしめると、さっきまで強張っていた体は俺にもたれ掛かってくる。

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「ほら、、、こうしたらあったかいでしょ？」

すぐに聞こえてきた寝息に溢れる愛しさと一抹の寂しさを感じながら、ルカの頬にキスを落とした。