彼女は傷つかない５［BTS］ (ページ28)

今日:16 hit、昨日:155 hit、合計:51,061 hit

episode 228 ピースが嵌る前にページ28

いつまでも鳴り止まない着信音と比例するように、募る自己嫌悪。

ルカ「、、、もしもし、」

ﾐﾝｷﾞｭ「あっ、、、良かった、電話出てくれて。ちゃんと家まで帰れたか心配してたんだから」

ルカ「うん、ごめんね。何回も連絡くれてたのに」

ﾐﾝｷﾞｭ「いや、、俺の方こそごめん。完全にヒョン達のペースに飲まれちゃって、、、あ、そうだ！ジョンハニヒョンがまた遊びに来てねって。ヒョン、ヌナのこと気に入ったみたい。笑」

きっと嘘だ。

話もまともに聞かずに出てった私にまた釘を刺すつもりなんだろう。

あの目は本気だった。

私が抵抗しなければどうなっていたか。

考えるだけで怖くなる。

ルカ「、、ミンギュごめん。私も飲み過ぎたみたいで、、もう寝るね」

ﾐﾝｷﾞｭ「あ、、うん。そうだよねっ、、ヌナは、、、俺がいなくても平気なの？」

ルカ「え？、、、何、急にどうしたの？」

ﾐﾝｷﾞｭ「俺は、、平気じゃないよ。今隣にヌナがいなくて寂しい。今すぐ会いたい。ヌナと一緒に寝たいのに、」

酔っ払った時のミンギュはこうして饒舌になるんだけど、今夜はそれに拍車がかかってるみたいだった。

まるで駄々をこねる子供みたいに、無邪気で甘えん坊。

、、、まるで『彼』のように。

ルカ「、、私だって寂しいよ。でももう遅いし、またすぐ会えるから＾＾」

＿＿＿＿あの時、ミンギュと初めて会った時。

何故だかその時の風景が頭の中に浮かんだ。

、、、ミンギュは誰の名前を口にしてた？

ﾐﾝｷﾞｭ「、、そうだね＾＾明日は夜遅くなるかもしれないけど、必ず行くから。おやすみヌナ、愛してるよ」

ルカ「、、、うん。おやすみなさい＾＾私も愛してる、」

抜け落ちたパズルのピースが、嵌るスペースを求めて。

ルカ「、、、ジョングク、？、」

＿＿＿＿どうして気づかなかったんだろう。

力なくソファに傾れ込んで、ぼーっとする頭では今は何も考えられない。

ただわかることは、ジョングクに対する感情が変わってくこと。

そしてそれを、隠さなきゃいけないこと。

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「シャワー終わったよ＾＾」

ミンギュのTシャツを着たジョングクの濡れた髪を見て、咄嗟に差し伸べた手には抱いてはいけない感情が宿ってしまった。

離れなくちゃいけないのに、彼の大きな瞳は私を捉えて離そうとしない。

＿＿＿思い出さなければ、こんな苦しい想いをしなくてすんだのに。