episode 227 知りたくなかった答え ページ27
※ｼﾞｮﾝｸﾞｸside
高鳴る胸を抑えるように入ったルカの家には。
玄関に置いてある男物のサンダルにスニーカー。
キッチンカウンターに並べられた２つのマグカップ。
嫌ってほど匂わせられる、ここに通ってる男の存在に嫉妬した瞬間。
ルカ「シャワールームはこっち。タオルはこれ使って、」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「はーい＾＾ 、、っ、？、」
ルカが綺麗に畳んだのか、それとも。
俺の親友にもそんな奴がひとりいる。
このTシャツには見覚えがある。
一緒に海外旅行に行った時にノリで買ったダサめのデザインと配色。
同じ物が偶然ここにあるはずない。
あいつじゃない他に、きっとあり得ない。
＿＿＿＿俺のほんの少しの疑惑は、一気に確信に変わった。
ぐっと心臓に迫ってくる熱をなんとか堪えて、無理矢理そのTシャツを取ってシャワールームに入った。
シャワールームに当たり前のように置いてある、男物の化粧品。
至る所にある、あいつの痕跡。
嘘、ついたんだな。
俺の気持ちを知りながら嘲笑ってたのか？
いつ？何処でそうなった？
知りたい事は沢山あるけど、答えを聞いてしまうのはあまりにも恐ろしい。
＿＿＿人は人を変えるとよく言ったものだよな。
なぁ、ミンギュ＿＿＿＿＿＿、
＊＊＊＊＊＊
シャワールームから出ると、ソファで寛いでいるルカ。
緩めのルームウェアに着替えた彼女は、やっぱり俺が知ってるあの時のルカのまま。
「髪の毛濡れたままで、、、脱衣所にドライヤーあったでしょ？」
無意識なんだろうな。
一緒にいたあの時と同じ。
本来世話好きなルカは俺の髪をタオルで優しく擦る。
、、、あいつにも同じことしてるのか？
俺に対する何気ない素振りが、全部あいつと重なる。
許せなくて、嫉妬で吐き気がする。
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、じゃあルカが乾かして？」
甘えるようにルカの手に頬を寄せる。
困ったような彼女の表情に、急に切なくなった。
ルカ「うーん、、、じゃあこっち来て、」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、ありがと＾＾」
ルカの指が触れる度に。ルカの匂いに包まれる度に。
今すぐ抱きしめて、連れ去りたい衝動に駆られてるのに。
ねぇ、苦しいよ。俺だけ見て欲しいのに、、、
心の奥に潜んでた真っ黒な何かが囁いている。
＿＿＿＿ミンギュ、お前が悪いんだ、って。
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「ルカ、キス、、していい？」
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作者名：Apple | 作成日時：2023年7月24日 10時
