彼女は傷つかない５［BTS］ (ページ26)

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episode 226 躊躇う意識の間でページ26

これで最後にしないでなんて。

あんな瞳で見つめられたら断ることなんて出来なかった。

黙ってカフェを出たまま、また私を背負って歩き出したジョングクの背中の感触をただ感じなから。

私にはミンギュがいるのに、他の男の人の背中なのに。

さっきとは違う何かが心に宿ってくのを感じながら溜め息を溢した。

ルカ「、、え？、、雨降ってる？」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「あーほんとだ、、じゃあこのまま家まで送ってくよ＾＾家どこ？」

ルカ「大丈夫です！！ここからなら歩けるから、」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「いいから！風邪引いたらどうするの！？、、この交差点の右左どっち？」

ルカ「、、、左、、」

ジョングクの勢いに押されてしまって、結局家まで送ってもらうことになった。

雨足は弱まるどころかむしろ強くなる一方で、着ている服も随分濡れてしまって。

ルカ「、ありがとうございました。ずぶ濡れになっちゃったね、ごめんなさい、、」

彼の濡れた上着に思わず触ると、急にジョングクに腕を掴まれた。

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、このままじゃ帰れないよ。どうしたらいい？、」

ジョングクの頬を流れる雨粒が口元を伝って落ちていく。

その度に揺さぶられる心とミンギュに対する申し訳ない気持ちの間で私までおかしくなってしまいそうだった。

私は一体、何をしようとしてるの？

ルカ「、、、このままじゃ二人共風邪引いちゃうから、」

この言葉の意図をすぐに理解したジョングクは目尻を下げながら嬉しそうに私の肩を抱いた。

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、嬉しい、ルカ」

玄関を開けるとすぐに私を抱きしめようとするジョングクを静止した途端、ミンギュと一緒に選んだルームフレグランスの香りが鼻を擽る。

また押し寄せる罪悪感に苛まれる中、ふと思い出したのはジョンハンの言葉だった。

ミンギュにとって私は害悪な存在なのか。

そう思ったらとても悲しくなった。

ルカ「シャワールームはこっち、タオルはこれ使って。」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「ありがとう＾＾、、ルカ、このTシャツ借りてもいい？」

ジョングクが手にしたのは、お泊まり用にって置いてったミンギュのTシャツ。

ルカ「あっ、、それは、」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「じゃあ借りてくね〜」

そういってシャワールームに行ってしまったジョングクに呆れているとスマホが着信を伝えた。

＿＿＿＿ミンギュ、ごめんね。

私は狡くて浮つく、最低な女なんだ。