episode 225 運命という言葉以外 ページ25
※ｼﾞｮﾝｸﾞｸside
今まで好きになった女はそれなりにいた。
どちらかといえば、恋愛相手の選択肢は選ぶよりも選ばれる経験の方が多かったと思う。
最初の出逢いはルカにとって最悪なものだっただろうし、時には言葉で、体で。
たくさん傷つけてしまった。
それでも。俺の望む形ではなかったけど。
テヒョニヒョンの彼女としてのポジションだったけど。
一緒に過ごした時間はかけがえのないものだった。
そうでしょ？
離ればなれになっても俺たちはまたこうして出会った。
これを運命以外のどんな言葉で片付けられるだろう。
ルカ。俺の大切な人。
もう俺は怯んだりしないよ。
他の誰かを愛していたとしても諦めたくない。
独りよがりだって俺の事嫌いになる？
迷惑だって俺の存在が邪魔になる？
「、、そんなの関係ない。」
ルカ「え、、？、」
戸惑った表情のルカの手を取って、冷えた指先に優しくキスを落とした。
白く透き通った肌は、心と体の奥に燻っていた懐かしさを思い出させる。
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「俺たちは離れられない運命なんだよ。今は俺の事愛してくれなくてもいいから、、、絶対に取り戻すから、」
終止符なんて打たせないよ。
何と引き換えても、ルカは俺のものだから。
そんな結末しか欲しくない。
ルカ「、っ、、そんな事言われても、困りますっ、、、私、、」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、、じゃあなんでこの手を振り解かないの？ルカも俺を受け入れてる証拠じゃない？、」
そう言いながら触れる手の力を強めるのは俺の方。
今はほんの少しでも長く触れていたい。
離したくない。この温もりも、ルカの全ても。
ルカ「もう、、、帰らなくちゃ、」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、もうタイムリミット？じゃあ家まで送るよ。そんな足じゃ危ないから、」
さっきよりも明らかに俺を警戒してるルカに優しく笑いかける。
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「もう何もしない。困らせるつもりはなかったんだ。ごめんね。だけどこれで最後なんて嫌だよ。だからお願い、、」
ルカ「、、、じゃあ。途中までなら」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、、わかった＾＾」
店内を出てルカの家の近くから、予報にはなかった大粒の雨が降ってきた。
何処までも神様は俺の味方をしてくれるらしい。
ずぶ濡れになった俺を見て申し訳なさそうな彼女に呟く。
「、、このままじゃ帰れないよ。どうしたらいい？」
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作者名：Apple | 作成日時：2023年7月24日 10時
