episode 222 ねえ貴方は ページ22
ジャケットも着ないで勢いで宿舎を飛び出しちゃったけど、流石にソウルの夜は一気に冷える。
〜♪
ﾐﾝｷﾞｭハニヒョンがヌナが先に帰ったって聞いて・・・
俺酔っちゃってて気が付かなくてごめんね。
もう家?
ﾐﾝｷﾞｭﾐﾝｷﾞｭさんから不在着信
ﾐﾝｷﾞｭﾐﾝｷﾞｭさんから不在着信
ジョンハンの言葉が脳裏にこびり付いて離れなくて、ミンギュからの着信を無視してしまった。
ルカ勝手に帰ってごめんなさい。
私もちょっと飲み過ぎたみたい。
もう帰れたから大丈夫^^
ﾐﾝｷﾞｭヌナの声、聴きたいよ
ごめんね、ミンギュ。
今ミンギュの声を聴いたら、きっと泣いてしまう。
「はぁ、、、」
溜め息と一緒に吐き出した想いは、白い息に混じって冷たい空気に消えていく。
ﾄﾞﾝッ！
出会い頭に誰かとぶつかって道端で倒れてしまった。
ヒールを履いていたせいで足首を捻ってしまったみたい。
どうやら若い男性とぶつかったらしく、私に悪態をつこうを近づいてくる。
いけない、、、早く謝らなきゃ。
「、、、ごめんなさい、っ、、」
足がこんなに痛まなければちゃんと顔を見て謝れるのに、、、
「、、、ルカ！？っ、、、」
驚いたことに、その男性は初対面のはずの私の名前を口にしたのだ。
思わず顔を上げた瞬間、その人の体にあっさりと包み込まれる。
甘くて優しい、でもどこか深くて濃密な危険な香り。
ルカ「あ、、、あのっ、、、離してください、、」
ミンギュにも負けないくらい力が強いその人は私の言葉とは裏腹に、どんどん力を強めてくる。
ルカ「苦しい、、、っ、、」
「あっ、、、ごめんねルカっ、、、ちゃんと顔見せて、、、ああ、、本当にルカだっ、、、俺、、ずっと会いたかった、、、」
被っていた帽子を取って私を頬を両手で包んだその手は微かに震えている。
私はこんなに綺麗で美しい、この人のことを何も知らないのに。
懐かしむように、時折愛おしそうに、私の名前を呼ぶ。
ルカ「、、ごめんなさい、、、私、、」
「ううん、、、俺の方こそごめん。あの時意地でも迎えに行けば良かった、、、」
この人は、私の過去を知っている人？
ルカ「、、、貴方は誰？、」
「え？、、何言ってっ、、俺だよ？、ジョングクだよっ、、、」
必死でそう訴えた彼の瞳を、私は何処かで、、、？
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作者名：Apple | 作成日時：2023年7月24日 10時
