episode 202 忘れられなかった人 ページ2
※ｼﾞｮﾝｸﾞｸside
ｽﾀｯﾌ「BTSの皆さん、入られまーす！」
今日も決められた分刻みのスケジュールに忙殺される毎日。
ﾍｱﾒｲｸ「じゃあメイクに入りますね、、、ジョングクさん」
前は馴れ馴れしくしていたヘアメイクの女達も今では見る影もない。
ユンギヒョンとテヒョニヒョンの不仲説は《なかった事》として会社側が捩じ伏せた形にはなったけど。
スタッフ達は未だ俺達を腫れ物に触るように、掛ける言葉にも慎重になってるみたいだ。
「ジョングガ、差し入れのアイスあるけど食べるか？」
静かな楽屋の中でいつも黙ったままの俺に気を遣って声をかけてくれるホビヒョンには、本当に申し訳ないと思ってるけど。
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「大丈夫です、、ごめんねホビヒョン」
ﾎｿｸ「、、、無理すんなよ？」
今日も俺の視界は白黒のまま。
彩ってくれた人は、何処にもいない。
あれからテヒョニヒョンからも誰からもルカの名前を聞くことはなかった。
それが彼女をマスコミの格好の餌にさせない為だと、結果的にそれが彼女を守ることに繋がるならと。
俺だってわかってる。
「恋愛なんて一時の感情で、、、」そんなこと言うなよ。
何も知らないくせに。
ルカは今でも俺にとって大切な人なんだ。
今では連絡先もわからないし、SNSのアカウントだって知らない。
もしかしたらもう韓国にいないのかもしれない。
唯一の頼みの綱だったシンヒヌナでさえ、ルカのことはわからないって。
それでも・・・
テヒョニヒョンは諦めてしまったかもしれないけど、俺はまだ諦められない。
「、、会いたいよ、、、ルカ、」＿＿＿＿＿＿＿＿、
最近では宿舎に帰ってからも作業することが増えた。
ネガティブな感情に捉われて仕事まで疎かにしちゃいけない。
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「テヒョニヒョン、、、居る？」
ﾃﾋｮﾝ「ん？、、何？」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「あ、、音源聴かせようと思って、でもいいや、また今度で＾＾」
ﾃﾋｮﾝ「、、ごめん、疲れてるから」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「ルカの写真、、、まだ飾ってたんだね」
俺の言葉に、テヒョニヒョンは写真立てを倒した。
「捨てるの忘れてた、、、」そんな事を口にするテヒョニヒョン。
「もう決めたんだ。ルカの事は忘れるって。だからお前も、「俺は諦めないよ。」
ルカを守る為なんて、傷ついた彼女への程の良い言い訳だ。
俺は彼女を、ずっと忘れられない。
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作者名：Apple | 作成日時：2023年7月24日 10時
