melt pure (ページ26)

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バイト先に元太が来た。

元太｢近く通って、たまたまバイトしてんの見えて、前連絡先交換しそびれたし、その、ちゃんと俺の今の気持ちも伝えられなかったし。｣

そう言った元太は私に

ちょっと紙とペン貸してと言い、

元太｢これ、俺の電話番号とSNSのアカウントだから。またゆっくり話聞いてくれる気になったら、ここに連絡して欲しい。｣

そう言って私に向ける眼差しがあまりに真剣で

その紙を受け取ってしまった。

ふと元太の奥に目を向けると
少し遠くに海斗がいるのが見えた

私は咄嗟に元太に
『わかったから、とりあえず今日は帰ってほしい。』

そう言って追い返してしまった

元太が帰ったのを見て

こっちに来た海斗が私に

｢大丈夫？｣

と聞いてきて、
海斗からの優しさと元太からの想いで
ぐちゃぐちゃになってしまった

そんな自分の心を

隠そうとして、笑みを作った

きっとこの取り繕った笑顔も

海斗にはバレてるのかなって思うけど

海斗は気が付かないフリをしてくれて

｢そっか、じゃあ俺終わるまでそこで待ってるから｣

なんて笑って言ってくれた。

そのやり取りを見てたのか
ちゃかちゃんが私に

｢もうお客さんも来ないと思うし、手入れもだいたい済んでるから今日はもう上がっていいよ！｣

と言ってくれたので、私はお言葉に甘えて、なんて言って早めに上がらせてもらった。