#129 ページ29
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｢あ、村山さん！！｣
数分後、村山はいつも通りの飄々とした態度で鬼邪高へ到着した
さっきまで服がないだのお湯が出ないだの朝からバタバタしていた人とは思えないほど落ち着いている
いや、落ち着いているというよりかはなんとか自分を落ち着かせたと言った方がいいのだろうか
あっちを見たりこっちを見たりと視線だけは慌ただしく
村山が来たことに気づいて駆け寄ってきた関の姿を目にするとバツが悪そうに目線を下に落としながら
クセのある髪に触れ、ぶっきらぼうに言葉を投げた
｢で、今どーなの？｣
｢中園が電話で言った通りっすよ｣
｢え まだそのままなの？｣
｢そのままっすよ！そりゃ！誰も迂闊に関われねぇというか…｣
｢まぁそりゃそうか、下手に話したら関ちゃんなんてガブッ！ってやられちゃうかもしんないしね｣
｢そうならないためにも村山さんを呼んだんすよ！｣
｢危なく電話切るとこだったわ｣
ダラダラダラダラといつも通りに校舎の中を歩き
丸まった背のまま保健室に向かう
足取りも、声のトーンも、顔もいつも通り
ただいつもと違うことがあるとすれば
心臓の音と今の気持ちくらいだろうか
いつもならつまんねぇとかなんか面白いことが起きたりしねぇかなとかそんな気持ちばかりが胸の中を占めているのに
今日は、この瞬間だけは明らかに違っていた
｢でも…よかったですね村山さん｣
｢ん？何が？｣
｢何がって、そんなとぼけたマネしなくてもいいんすよ！｣
｢別にとぼけてなんかいねぇし｣
｢またまたそう言っておいて会いたい！ってずっと言ってたじゃないですか！｣
｢…………まぁ、そりゃ、言ったけどさ…別にそんな｣
別に、なんて面白くないことを言うなって思ってた
その言葉はどんな意味だよって何度も聞こうとしては
やっぱりいいやと諦めた
今になってずっと"別に"と言っていた彼女の気持ちがわかったような気がしなくもない
｢今の村山さん、楽しそうな顔してる｣
｢…………今の関ちゃんもうるさい顔してんね｣
｢えへへ、そんな褒められても何も出ねぇっすよ！｣
｢いや今の褒めてねぇよ｣
何となく、気持ちを悟られたくない
そんな気がする
だから別になんてかわいげがなく素っ気ない言葉で
本当は弾むような気持ちを飾るんだ
｢え、嘘じゃないよね？｣
｢ほんとです｣
｢ほんとかぁ｣
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AYA(プロフ) - 大好きな作品です！続編ぜひ読ませていただきたいです😭❤️ (7月23日 23時) (
レス) @page50 id: aab851b4e8 (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - こちめるさん» こちめるさんのペースで良いので続編見たいです〜🥹絶対出たら読みます…とりあえず読み返します……＾＾ (7月23日 23時) (レス) @page50 id: 3cc58c0538 (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - どんぴしゃすぎて、、ほんと大好きな作品です、！大変だとは思いますが続編みたいです(>_<;) (7月23日 18時) (レス) @page50 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
ユリエ(プロフ) - 村山さん作品で一番大好きな話です！！続きを楽しみにしています。応援しています！！ (7月23日 14時) (レス) @page50 id: 6d5541c5a1 (このIDを非表示/違反報告)
こちめる(プロフ) - ななせさん» コメントありがとうございます🤍🙌🏻❕めっっっちゃ嬉しいお言葉ありがとうございますほんと光栄です😭これからもゆったりコツコツ頑張って更新します🫶🏻 (7月4日 23時) (レス) id: b38c8404b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちめる
| 作成日時：2023年7月4日 19時
