14話 頼み事と質問 ページ15
「はぁ、はぁ、はぁ…このやろ、お前のせいで疲れたじゃねーか」
「お前が追いかけてきたからだろうが」
「それは….お前が、走ったからだろ…」
「なんでそんなに疲れてんだよ」
「それは、お前が…バケンモンだからだよ…」
うざ。
「グフｯ」
腹パン成功。
「ちょ、真顔で腹パンやめて…」
「あ、ごめん、うざかったから
「理不尽な…」
「そこの君たち、3年生か？」
「「！？」」
俺たちはゆっくり後ろを振り向いた。
「悪い、びっくりさせたかな」
そこには、笑顔で立っている長谷川さんがいた。
「こ、こんにちは」
「こんにちは…」
「どうも」
長谷川さんは俺たちに近づいてきた。
「なぜそんなに走って来てたんだい？」
「いや、こいつが、ギリギリには行きたくないって言ってたんで。まぁ、それでも結構ギリギリですけどね」
「へぇ、そうだったんだね。」
「…」
長谷川さんがチラッとこっちを見た。
俺は、すぐ目を逸らした。
「あぁ、そういえば、君に話があるんだ。」
そう言って俺の方に近づいてきた。
「君は先行っててくれないかな？」
翔は俺のほうを見た。
俺は頷いて、口パクで「大丈夫」と言った。
「わかりました。じゃあ、後でな、カズ」
「あぁ」
長谷川さんは翔が言ったのを確認して、俺の方へ向いた。
「あの、話ってなんですか？」
「そうだね。君には頼みたいことがある。」
「なんですか？」
「君が知っていることは誰にも話さないでもらいたい。」
「！！」
あのメールはやっぱりこいつらだったんだ。
「何のことだかはわかるね？もし守れないようだったら…」
「君の大切なものがどうなっても知らないよ。」
そういった時の長谷川さんの顔は、顔は笑っていても、目は笑っていなかった。
その目はとても、とても冷たい目をしていた。
「…わかりました…」
「なら良かった。」
「あの、ひとつ質問いいですか？」
「なんだい？」
「なんで盗聴なんてしたんですか？」
「それはわかるだろう？君のお兄さんは経験者だ。色々話されたら困る。」
「…それと、もうひとつ。このゲームはなんなんですか？あなた方は何を企んでいるんですか？」
「…」
長谷川さんが真顔でこちらを見ていた。
あ、やばい質問しちゃったかな…
「そうだね…」
「このゲームの謎は、君がゲームをクリアした時にわかるよ。」
長谷川さんは俺に近づいて耳元で囁いた。
「このゲームのこと、我々の目的が知りたかったら、生き残ることだ。
…どんな手を使ってでも。」
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作者名：yumito、gin x他1人 | 作成日時：2017年11月19日 13時
