年下男子を拾いました

年下 9 ページ11

「香坂さん、今夜皆で飲みに行くんだけど、香坂さんも来てくれない?」

A「え?」

会社で仕事をしていると、同僚の女の子が私にそう話し掛けて来た…パソコンを打っていた手を止めると、私は彼女の方を見る。

「人数が足りなくて、お願い‼」

両手を合わせ、頭を下げると彼女はお願いをしてくる…何時もなら快く承諾をするんだけど、今家には訳ありの猫がいるからなぁ…私は彼の姿を想像した、申し訳ないけど飲みに行くのは断るか…

考えた結果、私は断る事を選ぶと頭を下げている彼女に向かって『ごめんね』と言おうとする…けれど、話し出そうとした瞬間彼女は急に顔を上げると私の手を握り笑顔でお礼を言った。

「ありがとう！香坂さん、それじゃあ今夜7時に皆で飲もうね！」

A「…え?い、いや…あの…そうじゃなくて…」

全く話を聞いていない…私は断ろうとしたのに、彼女は私に話す隙を一切与えなかった…私の話なんて、彼女は最初から聞く気なんてないんだろうな…

「じゃあね！本当にありがとう！」

…如何やら私に拒否権と言うものはないらしい、一方的に飲みに行く事を約束されてしまった。

私は笑顔で自分の仕事に戻って行く彼女の背中を見送ると、大きな溜め息を吐いて仕事を再開する…

A「…はぁ…」

訳ありの猫こと雅君がいるから、早めに戻る為に飲みに行くだけ行って、さっさと家に帰るとするか。

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