天才マジシャン神と出会う男主 (ページ16)

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十五話ページ16

「先程は助けてくれてありがとうございました…それと、自己を通したために、迷惑をかけてすいませんでした。」

正面に向いて頭を下げるウッドちゃんを見て俺は慌てた。
前半は、逃げるために手を引っ張ったり、おんぶして走った時のことで、
後半は、ペットボトルの事だろう、恐らく。

「…確かに、それがウッドちゃんの悪いところだよ。」

ピクリとも彼は動かず、顔をあげない。

「どれだけ道に迷っても人の言うことに耳を傾けないし、正義感強すぎて道端で知らないどこぞのヤンキーさんにお説教始めるし、俺にもぐちぐちうるさいし…

…でもそれでも、迷惑かけられたとしても、俺はウッドちゃんがいいんだよね。

なんだかんだ言っても、自分から運転するときは時間に余裕があるときだけだし。
俺のマネだから…あんまりプライベートな時間ないよね…。

ちやほやされまくって調子に乗ってる俺にばっさり切り捨てたのもウッドちゃん、俺を利用しようとしてた大人から助けてくれたのもウッドちゃん。

…俺の親代わりに優しく、厳しく躾けてくれたのもウッドちゃん。

そんなウッドちゃんを…俺が助けるのは当たり前でしょ？
これくらいのこと、この天才マジシャン哉与にはなんら影響を及ぼさないのだ！！」

「…馬鹿ですねぇ…私みたいな老いぼれジジイなどを選ぶなんて…貴方なら選ぼうとすれば選び放題じゃないですか…」

「ははっ、そりゃーそうかもねぇ。俺超人気ちゃんだし☆」

「全く、すぐ調子に乗って…」

前髪の隙間からウッドちゃんの目が潤んでいるのを見て、俺はつい嬉しくなってしまった。

「てかウッドちゃんそんな歳食ってないじゃん！！」

「三十路を過ぎたらもうおっさんですよおっさん、哉与さんもすぐに分かりますよ…」

「えぇーーっ、全然若いよ大丈夫だよ！！」

「…というか哉与さん。」

「？」

「手が冷たいのですが…」

ごごごご…っとウッドちゃんの顔が怖くなる。

「あっ、あーっ…ごめんごめん、すぐにあっためるから大丈夫だよ！！」

「大丈夫じゃないですよ一番大事な商売道具でしょうが…」

火にかざしながら、ウッドちゃんが上から手を擦ってくれる。

「ん…ごめんね」

へへっと苦笑すると、本当にしょうがないですねと苦笑し返された。

～～

2人が仲良いのを見ると自分も幸せな気に…(ホワホワ)

そういえばなんですけど、勿論千尋ちゃん出てくる予定です(一応報告)。
時間軸としては、千尋ちゃん達より先に哉与達が迷い込んでます。