. ページ7
.
ミノオッパに言われて部室に入ってきた1年生。わあ、皆イケメンだなぁ。背が高い子、どこかわんこに似てる子、目がキラキラ輝いてる子、そして。
「あっ!先輩!!」
その子と顔を合わせた瞬間、叫ばれた。私を含めて皆びっくりしてきょとんとしている中、頭の中でどこかで見た顔だな、とぼんやり思う。……あれ?貴方って。
「手紙をくれた人?」
皆が居る中で「告白してくれた人?」と聞くのはあまりにも酷なので、少し言い換えて聞いてみる。すると彼はコクコクと頷いた。
「そ、そうです!わあ、この部活に所属してたんですね……!」
「ふふ、そうだよ。」
嬉しそうにへへ、と笑う彼。話せば可愛い人だなぁ、と思っていると、置いてけぼりだった皆に話しかけられる。「知り合いだったの?」と。ええと、これはどう言えば良いのかな。言っても良いのかな。
そう思っていたら、彼が口を開いた。
「俺、先輩の事が好きで告白したんです。」
えっ、と全員が口を揃えて驚く。そして、1年生は私を見て、残りの3人は彼を見て「この人だったんだ!?」と言った。
「例のパボはハニだったのか〜」
「なんですかパボって!ミノヒョンひどい!」
ぷんぷんと怒る彼に、愛おしいものを見るような目で優しく笑い、「ごめんごめん」と謝るミノオッパ。わ、私にはあんな目を向けたことないのに……誰だあの人……。
彼は一体何なんだ、と震えていたら、1年生の子が「あの、」と声を掛けてきた。そうだ、彼らを置いてけぼりだった!
「ごめんね、置いてけぼりにしちゃって……!私の名前は」
「Aさん、でしょ?ハニから聞いてます。」
「あ、……そっか、そうなんだ〜。」
背が高い子とわんこみたいな子は私を見下ろすように見つめていて、もう一人の子は複雑そうな顔をしている。あれ、何だか雰囲気が良くない……?
この雰囲気を察したのか、チャニオッパとチャンビニが私の前に立つ。チャニオッパはへら、と笑いながら「まあまあ、何か思ってる事があるならきちんと話しな?」と仲介役になってくれた。
すると、背が高い子がぽつりと呟く。
「どうして、ハニに返事をしないんですか。アイツ、先輩の返事を毎日毎日ずっと待ってるんですよ。」
.
280人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユウ | 作成日時:2023年9月6日 0時