愛故に、狂い出す。 (ページ3)

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「西畑さん、これ、お願いできますか」

「あ、はい、…いや、自分でできますよね？」

「うわ〜、行けると思ってんけどな〜、無理やったか」

俺に仕掛けるとはいい度胸してるやん、正門。

同期の正門はよく俺をこうやってからかってくる。

正門とは高校の時からの腐れ縁だ。

言いたいことがあればすぐ言うし、何でも話せる、いわば親友に近しい存在。

ただ、彼女のことだけは話したことはなかった、この先話すつもりもない、俺の中で留めておきたかった。

「あ、そや、大吾今日予定ある？」

「いや、ないけど」

「じゃあ飲みに行かへん？最近忙しかったし久しぶりに」

「あ〜…まあ、ええけど」

正門と飲みに行くのはホンマにどれくらいぶりやろ、多分3ヶ月とか半年とか。

最近はお互いに忙しくしてたから、休みの日はできるだけ寝て過ごしてたかったし、飲みに行く余裕なんてなかった。

久々やから酔ってしまいそうやな、なんて思いながらも、少し楽しみにしている自分もいた。

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