054：kazuya ページ6
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最近は家に帰って一人でいると余計なことを考えてしまう。
丈くんがなかなかAちゃんの連絡先教えてくれなくて、その日にAちゃんのお店に行ったらもう辞めたって言われた。
末澤も丈くんも、絶対連絡先教えてくれへんと思うし、今後Aちゃんと会うことも話すこともないんやろうなって途方に暮れた。
あんな少ししか関わってないのに、俺結構本気で好きになってしまったんやなって、俺ってチョロいなって、ちょっと落ち込んだ。
もう家にいるの嫌や、…外でご飯食べよ。
最寄り駅の近くは割と色んなお店が揃ってて、何食べようかなってダラダラ歩いてると、ファミレスの窓際に座ってるAちゃんを見かけた。
え、マジか。会えた。
1人や、…これ、チャンスとちゃう？
思い切ってファミレスに入って、Aちゃんに声をかけた。
「あれ、…Aちゃん…？」
Aちゃんは大きな目をクリっとさせて、こっちを見た。
「あ、…大西、さん？」
………………、うん、分かってる、分かってるよ。
２回しか会ってへんし、末澤が俺の話するとは思えへんし、覚えてないの当たり前やん。
こんなことで何しょげてんねん、会えただけでバンザイやん。
「いや、ちゃうって、俺大橋ね」
「あ、…ごめんなさい、」
「ええで、覚えてないの当たり前やし、…ここ座っていい？」
「あ、…はい、どうぞ」
Aちゃんの向かいの席に座らせてもらって、チラッと顔を見た。
正面から見るの初めてやな、ちょっとメイク薄めや、…ホンマに可愛いかもしれへんこの子。
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作者名：まぷ | 作成日時：2023年1月10日 18時
