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「髪濡れてんで」
思ったよりも早くお風呂を出てきた和也くんは私の後ろ側からソファに座って、私は和也くんの足の間に座る形になった。
あ、…多分これ、服着てない。
ズボンは履いてるけど、きっと上半身は何も着てない。
「ねぇ、…風邪引くよ?」
「暑いねん」
「湯冷めしちゃう」
「Aちゃんがあっためてや」
そう言って後ろから私を抱きしめる和也くんの髪の毛もまだ濡れていた。
耳に掛かる和也くんの息が、髪の毛がくすぐったい。
「くすぐったい」
「わざとやもん」
このあと私たちが何をするかなんてもう分かりきってる。
和也くんよりも年上の私がリードしてあげないと行けないなって思って、くるっと体を回転させて和也くんと向かい合うようにした。
それに一瞬驚いた和也くんはすぐにニコ〜って笑ってすっぴんもかわいいなあ〜って。
キャバ嬢時代に散々言われた言葉だけど恥ずかしくて目を逸らした。
「なんで目逸らすん〜かわいいのに」
私がリードしないと、そう思うのに、彼の方が一枚上手みたい。
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作者名:まぷ | 作成日時:2023年1月10日 18時