色は思案の外 - 2 - (ページ45)

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092：kazuya ページ45

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「あれ、…かずくん、今日来るって言ってた？」

「ううん、言ってへんけど」

「散らかってるから片付けるね」

キッチンには2人分のコップと末澤が吸ったであろうタバコの吸殻があって、部屋にほんのり末澤の香水の匂いが残ってて、嫉妬しそうになった。

Aにちゃんと言うべきか、Aが言い出すまで待つか、…考えて、俺はそこに立ってることしか出来なかった。

「かずくん？どうしたの？」

「あ、…いや、…A、香水変えたんかなって思って」

「変えてないよ？…あ、さっきまで誠也いたからかな」

よかった、…隠そうとしてたわけではないんやな。

「さっき下で会ったで」

「そうなの？言ってくれればよかったのに」

「何話したん？」

「あ〜、…言っていいのかなこれ、」

「うん、いいで」

「…誠也には何も言わないでね？」

「わかった」

「誠也の彼女、私が働いてたキャバクラのキャストなんだけど…あ、かずくんも知ってると思う、ミノリちゃんって子」

2年近く前の記憶を遡るために頭をフル回転させて思い出した。

丈くんと初めてキャバクラに行った時に丈くんの隣に座ってた子や、…Aに夢中で、そんなに話してないけど。

「ミノリちゃんがね、妊娠したかもしれないって前に相談しに来たの」

「…え？」

「だからその事で誠也が」

「…Aじゃなかったん？」

「……ん？」

「妊娠検査薬、Aのじゃなかったん？」

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