090:kazuya ページ43
.
「はあ!?妊娠!?」
「いや、まだ確定じゃないねんけどな、Aの家に検査薬あってん…」
「検査薬あったんやったらほぼ確やん」
俺らが付き合ってからもうすぐ1年になろうとしていた。
お互いの呼び方も変わった。
俺はAちゃんからAって呼び捨てに、Aは和也くんからかずくんって呼ぶようになった。
「Aちゃんに聞いたん?」
「聞けへんよ、…悩んでるのかもしれへんし」
昨日、Aの家に行ったらトイレで妊娠検査薬とやらを見つけてしまって、超悩んでいた。
もし、本当にAが妊娠してたら?
俺はアイドルを続けたまま父親になれるんやろうか。
Aを支えられるんやろうか。
「じゃあ今日仕事終わったら聞きに行くしかないな」
「…そうよなぁ、」
「なんでお前が悩んでんねん、今悩んでいいのはAちゃんだけやろ」
丈くんにそう言われてハッとした。
そうや、今悩んでいいのは名前だけや、俺はAのそばにいることしか出来ひんけど支えてやらなあかん。
どんな結果であれ、全て受け入れようと心に決めた。
.
332人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まぷ | 作成日時:2023年1月10日 18時