色は思案の外 - 2 - (ページ11)

今日:10 hit、昨日:5 hit、合計:40,512 hit

059 ページ11

.

「私の名前知ってたんですね」

「あ、うん、…丈くんに聞いて」

大橋さんは、お腹がすいてたみたいで、もりもりご飯を食べてる。

ほっぺたにいっぱい食べ物詰めて、この人なんか、ハムスターみたいだなって思った。

「そうだ、…お店、来てくれてたんですよね？」

「え？…聞いたん？」

「今日聞きました、何かありました？」

「いや、…別にないねんけど、…会いたくて」

そういった大橋さんは、私からちょっとだけ目を逸らしてて、ちょっと照れてるみたいで可愛かった。

「連絡先、教えてもらえへん？」

「え？」

大橋さんはさっきと違って、真剣な目で私を見ていた。

でも、…

「…末澤おるし、無理やんな、」

「えっと、…」

「いや、いいんやで、…仲良くなりたいなって思っただけやし」

ちょっとだけシュンとする大橋さん。

私はまだ誠也に怒ってるし、連絡先交換するくらいならいいかなと思って。

「いいですよ？」

「…え？ホンマに？」

嬉しそうに笑う大橋さん。

この人表情豊かだなあ…

こんな人と毎日一緒にいたら楽しいだろうなって思った。

.