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「酔っぱらいの女の子や!」
「え?」
「いつやったっけな、だいぶ前に酔っ払って帰れんくなってた女の子やろ!俺がタクシー呼んであげた!」
…あ、思い出した。
1万円の男の子だ。その時は外灯も少なくて暗かったから顔もほとんど見えなかったし、話し方も全然違うから、全然分からなかった。
「あ…あの時はありがとうございました、お金お返しします」
「いや、ええって!無事帰れたみたいやしよかったわ」
「それにしても全然感じ違うから分からんかったわ〜」
次から次に言葉が出てくる出てくる。
私からすればあなたも全然雰囲気違いますけどね。とは思ったが、口には出さない、今はお客様だから。
「キャバクラで働いてたんやな〜、…あ!やから酔っ払ってたんか!」
「めちゃくちゃ元気ですね、この前に飲んできたんですか?」
「おい大橋、困ってるやろ」
ごめんな〜って言いながらめちゃくちゃニコニコしてる。
「大橋さんって言うんですか?名前」
「あ〜…あんまり名前知られたくなかったんやけど…内緒にしといて?」
シーっと口に指を立ててそう言った彼はお店の雰囲気も相まってキラキラして見えた。
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作者名:まぷ | 作成日時:2023年1月5日 22時