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誠也と1時間くらい他愛もない話をして、もう時間は午前6時前。


私は明日も出勤だし、そろそろ帰ろうということになった。




「家は前と変わってへんの?」


「うん、変わってない。誠也は?」


「俺も。また方向一緒やな、一緒に帰ろうや」




誠也に手を引かれて、私たちは同じタクシーに乗り込んで、家に向かった。


タクシーの中で私たちはずっと無言で、でも手はずっと繋がれたままだった。


誠也と別れてから虚無感に襲われることが多くなっていた私にとって、小さいけど大きなこの手は安心材料でしかなくて、その手の温もりの心地良さにそっと目を閉じた。






「…おい、A、着いたで」




ゆらゆらと揺さぶられて目を覚ますと、もうそこは私が住んでるマンションの前に着いていた。




「ごめん、寝ちゃってた…」


「疲れてるんやろ」




外はさっきよりも少し明るくなっていて、夜型の私にとってはとても眩しく感じた。




「早く帰って寝な」


「うん、…気をつけてね」


「また連絡するわ」




今日は慣れないことばっかりで疲れたな…



部屋に入って、メイクも落とさずに、寝てしまった。



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作者名:まぷ | 作成日時:2023年1月5日 22時

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