私の好きな人 (ページ35)

今日:5 hit、昨日:11 hit、合計:44,295 hit

No.34 ページ35

藤「Aさ、最近俺の事避けてない？」

確かに先生が言ってた通り避けてる

それは先生が嫌いとかじゃなくて裕太に一緒にいるところを見て欲しくないから

今この状況を裕太が見たら絶対に呆れられると思う

「避けてません。もう、離してください」

藤「じゃあ、意識しちゃって避けてるってこと？」

離してっていっても全然離してくれなくて

自分で意識してるとか言っちゃって

確かに前よりは少しは嫌いとは思わないかもしれない

話すことも嫌だったのに今は普通に話してるし

もしかして先生が言ってた通り意識しちゃってる!?

いやいや、そんな訳ないし

私には裕太という彼氏がいるんだよ？

そんな事あったらいけないにきまってる

「じ、自意識過剰にも程があります！」

背中に回された腕を振りほどいて立った

でもそれと共に右足の足首に鈍い痛み

それが痛すぎて立つことも出来なく床に座り込んだ

藤「足、痛いの？」

あんな事があったのに平然と立って足を見つめてる先生

「痛くないです」

藤「ふーん、じゃ立ってみろよ」

見下した言い方にイラっとくる

今でもズキズキと痛む足首

立つなんてとてもじゃないけど無理

素直に立てませんって言えたらどれだけ楽なんだろう

藤「はぁ、もっと素直になれよ」

座ってた私の目の前に背を向けて座った

おんぶされろってこと？

え、嫌だ。

藤「お姫様抱っこが良かったか？」

顔だけ私の方に向けてニヤッと笑う

「いえ、喜んで乗らせてもらいます」

先生の首に手を回したらフワッと甘い匂いが鼻をかすめる

そして歩き出した

藤「軽っ。ちゃんと飯食ってるか？」

「当たり前じゃないですか。食べてなかったら倒れますよ」

藤「それもそうか(笑)」

保健室まで運んでくれた

幸い、廊下には誰もいなくて見られることはなかった

保健室には保健室の先生がいた

まあ、当たり前か(笑)

藤「家まで送るから部活が終わるまで待ってて？」

「べつに気を使わなくても」

藤「いいから。待ってろ」

「はい」

頭をポンとして体育館に戻っていった

保健室の先生は顔を赤く染めてドアを見てる

私の頬もほんのり赤く染まってる