駄メンズになっちゃう【WT短編】

□ 図書館司書なつよつよお姉さん / brkn ページ18

リクエストありがとうございます
本に縁がありそうな1人と無さそうな1人で組んでみました


｢うわー､サイアク…｣

｢降水確率50%､降らない方に賭けてたんだけどな｣

休日が被った今日､僕はきんときと遊びに出ていた
外を歩いてる最中､急にポツポツと雨が降ってきたと思ったら
ものの数分でバケツをひっくり返したような土砂降りに変わる
急いで近くの建物に避難したは良いが髪がしっとりと濡れていた
2人して天気予報をチェックすればあと1時間はやまない模様
はぁーと溜息をつき雨宿りに使っている建物に目線を向ければ
"市立図書館"の文字。ここ､入ろっかと提案すれば
時間つぶしにはなりそうだねといい返事。自動ドアをくぐれば
図書館独特の紙の匂いが鼻をくすぐる

｢へー､図書館なんて久々に入ったけど色々やってるんだね｣

きんときがそう呟く
視線を追うと掲示板にはられた手作りのポスターが目に付いた
大人の為の読み聞かせと書かれたそれは2人の好奇心を擽るのに十分で
時間を確認すれば30分後に始まる事も書かれており､雨が止むまで
どうせ暇だし聞いていこうと話がまとまる。
開催場所の小さなスペースに行けば､既に数人座っており
人気あるのかな？なんて会話を交わしながら丸いソファに二人で腰かける

｢って言うか､大人の為の読み聞かせってなんなんだ｣

｢知るわけないんだよね！でも最近､大人が感動する絵本とかも
有るらしいしそっち系統じゃない？｣

｢絵本かぁ…子供の時しか見てねーは｣

そりゃそう､なんて小さい声でクスクスと話し合っていると
一人の女性が前の椅子に腰をかけた。首から下がるネームホルダーには
図書館司書の文字。司書さんが読み聞かせするんだ､と驚きつつ
始まるのを静かに待っていれば､スピーカーで小さくBGMをかけ
一冊の小説を取り出しスっと息を吸ったのが見えた

｢のばら
大きな国とそれより小さな国が……｣

始まってすぐ､その声の優しさに心が揺れる
耳を傾ければすんなり入ってくる物語。

｢…老人は南の方へ暇を貰って帰って行きました。｣

そう締めくくられた物語､パタンと本を閉じた音で聞き入っていた頭が
現実へと引っ張られる

｢これハマっちゃうかも｣

｢言いたい事は凄くよく分かる｣

ちらりと窓を見ればどうやら雨はやんだようで薄光が差し込んでいた
じゃあ､帰ろうかと解散帰宅して驚いたのだが
凄く気持ちのいい睡眠が出来たのだ。読み聞かせって凄い

ーー
んんん､消化不良…
いつかリメイク出します

□ スノボつよつよお姉さん / sha→←■ 先輩なつよつよお姉さん / shakr

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す