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your side

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「A！こっちや！！」

声がする方へ振り向くと

そこにはもうコースに並び始めるしげが居た。

手渡したいけど、コースには入れないし…

赤「ハチマキ、投げて！！」

『え、投げる？！』

赤「ええから早く！！」

『は、はい！』

言われるがまま手に持っていたハチマキを

しげの居る方へ思いっ切り投げた。

ヒラヒラと不安定に落ちながらも

赤「っしゃ！ナイスパス！」

しげが上手く拾ってくれて

しっかりとその頭に結ばれた。

良かった、間に合った…

『しげ！絶対勝ってよ！！』

赤「おう、ゴールで待ってて！」

その瞬間走り出したしげは

前の走者の人から上手くバトンを貰い

物凄い速さでグラウンドを走って行った。

急いでゴール位置に戻ると

レースはもう終盤。

ゴール前の最後の直線。

橙「しげ！頑張れ！」

「あともう少しや！」

『頑張れー！！！』

最後までスピードが落ちなかったしげは

見事一番にゴールテープを切った。

しげはリレーメンバーの人達に囲まれて大喜び。

桐山先輩と淳太先輩も

自分の事のように嬉しそう。

橙「暫く見てへん間に、しげも成長したな～」

『桐山先輩、お父さんみたいですよ(笑)』

少し巫山戯ていると

二度目のピストルの音が聞こえた。

今度は2年生のレースか。

知り合いは出てないはずだけど

さっきの1年生のレースと違って

スピード感も全然違うし

自然と目が引き込まれる。

あっという間にバトンがアンカーに回って

レースも残り一周。

『えっ、あれ？』

「何か、やばい奴居るやん」

ほぼ同時にバトンが渡った先頭集団の中から

一人だけ尋常じゃないスピードで

抜け出した人が居た。

人より少し小柄で

遠くから見ても分かる派手さ…

結局その人は

二位と圧倒的な差をつけてゴールした。

でもそんなことにはお構い無しで

ゴールした後も何かを探しているのか

ずっとキョロキョロしてる。

リレーメンバーの人達もあんなに喜んでるのに…

何となくその姿をじっと見ていると、

「あ、見つけた！」

何故か私の方へと向かって来た。

『智洋、先輩…？』

緑「良かった、覚えてくれてたんやな」

橙「え、Aちゃん、知り合い？」

『まあ色々ありまして…』

智洋先輩との出会いは話せば長くなるけど

『で、何のご用でしょうか？』

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