押してダメなら押してみろ。〈黄〉 (ページ3)

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story 03 ページ3

junta side

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橙「あ、淳太くんお帰りー…って、なんかめっちゃ疲れた顔してんで？大丈夫？」

教室に戻った俺の顔を見るなり目を丸くする照史。

流石幼馴染、と言うべきか。

それとも俺がそれほど酷い顔をしてるのか。

多分後者やな。

「帰りにでも話すわ、」

心配そうにこちらを見る照史を横目に

俺は妙に重たい身体を椅子に預けた。

今日が6限までの日で良かった。

しっかり授業は受けつつも

頭の片隅にはAさんの顔が常にちらついて

何か落ち着かへん。

そして気付けば授業は終わってた。

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紫「さあ、何があったか話してもらおか！」

照史に事情を説明するつもりが

授業終わりに1番に来たのは何故か濵ちゃん。

しかもやけにテンション高い。

「照史、濵ちゃんに何言うたん」

橙「え、淳太くんが昼休み後から変やねんって言うただけやし！」

紫「何やねん淳太、告白でもされたんか？」

「まあ、かくかくしかじかで」

橙「え、何そのAさんって子！めちゃめちゃ積極的やん！」

紫「凄い度胸やな、それから連絡来てへんの？」

かくかくしかじかで全てが伝わるって便利。

…じゃなくて

そういえば連絡先交換したんやから

何かしらメッセージ来ててもおかしくないか。

「確認してみるわ」

携帯の電源を入れると

「Aさんから1件のメッセージ」

1分前に来た通知が1つ入っていた。

Aって、確かAさんの名前やんな。

恐る恐るその通知を開くと、

「よろしくお願いします♡」

と、丁寧に頭を下げた可愛い兎のスタンプ。

あ、意外と普通の挨拶なんや。

紫「どうやった？何か来てた？」

「スタンプだけやった」

何故かほんの少しの物足りなさを感じながら

俺は照史と濵ちゃんと一緒に教室を後にした。

橙「どんな子か気になるな～、その1年の子」

紫「結構可愛かった？」

「え、いや…」

何か全身ぐちゃぐちゃやったけど

まあ、顔は綺麗な方やったかな？

…とか何とか言うてたら、嫌な予感がしてきた。

「あ、」

『あ、』

1年生の教室がある1階まで降りてきた途端

バッタリ出会ってしまったAさん。

やばい、これは面倒なことに、

橙「もしかして、Aさん！？」

紫「え、初めまして、淳太の友達の濵田です！」

…面倒なことになった。

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